We are … (ページ10)

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9. Fside ページ10

俺達のレッスン室の壁は全て、鏡張りになっていて
ほかの部屋に比べても結構いい方だ。
ちなみに、レッスン室があるこの建物は二階建てになっていて、レッスン室やお風呂は2階。下の階は全て、俺たちの住む部屋がある。

まあ、つまり俺たちは今、寮の2階に居るってこと。
1年の4人をレッスン室に案内して、皆で軽い自己紹介を済ませた。
二階堂と千賀も、いい子そうで何よりだ。

｢2人はどうしてアイドり、りゅっ、…… アイドルになりたいの？｣

噛み噛みの渉が二階堂と千賀に言った。

｢僕達……、あの、あこが｣
｢あれっすよ！女子達にキャーキャー言われるためっすよ～！｣

千賀の言葉をかき消すように、二階堂が声を張り上げ、遮られた千賀は、二階堂の方へ視線を流してから下を向いた。
まぁ、少し気になるけど、余計な詮索はしない。

｢そう。いいじゃん。モテるといいね。｣
｢ガヤさんに言ってもらえて、心強いっすよ～！ね？千賀。｣
｢っ、…そうだね、俺達も頑張ろう。｣

急に話を振られて驚いたのか、千賀は肩をビクリと揺らしたものの、何も無かった様に応えた。
少しの沈黙の後、思い出したように宮田が手を叩いた。

｢そう言えば、どうして俺達1年は練習室で練習させてもらえないんだろーね？｣
｢それ、俺も気になってた！まじ何で？｣
｢部長の判断だよ。部長が気に入った人にはレッスン室を使用する許可が下りるけどらそれ以外の人は使えない。多分、教室とか校庭で練習するんじゃない？｣

ね、渉？
と、渉の方を見れば、大きく頷いていた。

｢じゃあ、ガヤとわったーは部長のお気に入りなんだ。｣
｢多分。どうしてか、俺達は部活初日からこの部屋を貰えたんだよね。｣

ね、渉？
今度は目を瞑りながら、小さく数回頷いた。
すると、千賀が慌てたような声を出す。

｢じゃあ、僕達はここから出ないと！｣
｢たしかに、この建物のレッスン室へは出入り禁止って言われてたくない？やばくない？｣
｢大丈夫。俺達が部長に言っとくよ。｣
｢まじ？めっちゃ嬉しいんだけど～｣
｢良かったあ。｣
｢まぁ、俺と渉が使うこの部屋しか使えないかもだけど、それでもいい？｣

｢全然オッケー！｣

タマ以外の3人の声が室内に響いた。