We are … (ページ16)

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15. Yside ページ16

｢それでさぁ…、って渉聞いてる？｣

今日の太輔のお話は、転校生の北山さんのことばっかり。
朝から洗面台の取り合いだったとか、目覚ましがうるさいとか、寝癖が凄いとか。
それもこれも。全部だよ？
太輔は、自分の話聞いてくれないとすぐ不機嫌になっちゃうからさ。いちいち、相槌うって聞いてあげてるけど、まあ俺にはあんまり関係ないし。女の子へのダメ出し聞いてる方がよっぽど楽だよ。

｢聞いてるよ～。それで？｣

欠伸をもらしそうになるのを抑えつつ、適当に頷きながら、話の続きを促した。
俺の気持ちにも気付かず、またペラペラと話し始めた太輔に流石に苛立って携帯を取り出す。
まぁ、携帯見たって何もやる事ないんだけどね～。

｢北山はさ、すぐ目が覚めなくてさ。何でも寝ぼけたままやるから、朝から凄い面白くてさぁ。歯磨きの時もさ、首がこうカクンって何回もなるから凄い危なっかしくて。起きてる？って聞いたら、うーんて。絶対起きてないじゃん、みたいな。｣

今度は動作も加わって、北山を再現しようとする太輔に、何故かクラスメイトの女子達が騒ぎ出す。
可愛い、とか、いつもと前髪が違うとか、女子達の声はそんなに小さいわけじゃないから、当然太輔の耳にも入っていると思うけど、何も気にすることなく話を続けている。
キャーキャー言われるのには、もう慣れっこなんだろう。

何気なく、俺は検索ボタンをタップする。
自分とは何も関係のないその名前を打ち込む。

サイトの1番上にあった、あるブログを読み込んだ。