11. Fside ページ12
｢…え。なんでいんの！｣
｢てか久しぶりじゃん！元気してた〜？｣
｢アレだね、髪伸びたじゃーん！｣
｢俺は短髪の方が好きだけどなあ〜。｣
真っ先に北山へと駆け寄ったのは、二階堂と千賀だ。
｢ねぇ、ミツ？｣
｢ミツ…。俺達…｣
きゃんきゃんと喚いていた2人に対して、ずっと無言のままの北山。
｢ねぇミツ。俺達、ジャニーズ部に入ったんだ。｣
ゆっくりと、二階堂がそう口にした。
この重苦しい雰囲気に、俺達4人は思わず顔を見合わせる。ただ唯一玉森だけは、少し眠たそうだった。
｢そうか。｣
不意に、北山は引き攣るような笑みを浮かべた。
｢頑張れよ。｣
な？と言ってからすぐに真顔に戻って、扉を閉めようとドアノブに手をかける北山に、二階堂は焦ったように閉まりかけるドアを無理に開く。
｢ねぇミツ！｣
｢んだよ、まだ何か？｣
先程より、声のトーンは明らかに低い。
ただ、視線はずっと下に向けたままだ。
｢ミツも一緒に…｣
｢やらねぇよ。じゃあな。｣
即答だった。
北山は静かにそう言い放って、扉を閉めた。
まだ状況を把握出来ていない俺達は、どうしたらいいのか分からずただ扉の前で立ちすくむ2人を見つめる。
千賀と二階堂は1度2人で顔を見合わせてから、俺たちの方へ向き直った。
｢あ、じゃあね！｣
そう言って笑った二階堂は、千賀と共に自分の部屋へ走って行った。
｢俺も。太輔またね。｣
｢皆さんまったね〜。｣
｢あー…、じゃあね。｣
俺一人を残して、皆、自室へ帰っていく。
…あれ、俺の部屋って、北山と同じ部屋になったんだっけ。すっごい、入りにくくない？
でも。入らなければしょうがない。
俺は、緊張気味にドアノブに手を掛けた。
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作者名：あんみつ | 作成日時：2018年5月8日 22時
