ハッピーエンド【田中樹】

０２５ ページ25

樹side






Aちゃんを迎えに行くと、

元気がなさそうだったから、



どうしたの？って顔を覗き込む。







「いや...携帯すごくて」






手渡されたAちゃんの携帯には、

何百件もの不在着信と

目を見張るようなラインの通知。





どこ？から始まり、

最後には酷い内容になってた。









「返さなくていーよ」

「いや、あの実は」

「ん？」

「不在着信に、後でここに来るって入ってて...」

「はあ？！」

「だから、どうしよっかなって」

「まあ俺いるし、大丈夫だよ」






細いけど喧嘩は強いからねって

頭ぽんぽんしてたら、


そんなとこ見られたらお前彼氏に殺されんじゃねーのっておっちゃんが怖い事言ってくる。







「...てかもうちょうどいいからAちゃんと別れさせるわ」

「樹無茶すんなって」

「やだよ、なんで暴力男が彼氏の立場を手に入れたままなの、早く別れないと」

「樹さん、私がちゃんと、言う」

「や！Aちゃんはいーよ！俺ビシッと言うから！」

「ううん、私が言わないと」







こんなに強い子だったかなぁ？って

感心しながらも、


ちゃんとAちゃんの気持ちを尊重しよう。

でもちゃんと俺が守ってやろうって、





震えてるAちゃんの手を握った。








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