ハッピーエンド【田中樹】

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樹side





「新入りさん？」




これからも平日は毎日お世話になる予定だから、

緊張してるであろう女の子に優しく声をかける。



はい、そうですって小さめの高い声で答えて俺にいい匂いの珈琲を渡してくれる姿を見て、



なんとなーくだけど、母性本能というか、

いや俺男だけど、

ちょっとだけ可愛いな、とか思ってしまう。





「俺平日は多分ほぼ毎朝来るから、俺来たらブレンドよろしくね」

「わかりました」

「えーっと、佐藤さんか。覚えとく」

「あ、佐藤Aですっ」

「Aちゃんね。佐藤さんいっぱいいるし、Aちゃんって呼ぶ。俺田中樹」

「田中さん」

「田中さんもいっぱいいるから樹でいいよ？」

「じゅ、樹さん」

「はーい、じゃあまた明日ね」









あれ、俺ちょっとナンパっぽかった？

って自分の行動を反省しつつも、


明日からは朝からあの子を見て癒されるな〜って

なんとなく上機嫌で学校に向かう車で珈琲を飲む。







担当の体育を、何時間か教えて、

放課後はバスケ部の副顧問だから体育館に顔を出す。


外部コーチも来るし俺はそんなにやることないんだよなーってボールで遊んでると、

樹くーん！って女子生徒から声をかけられた。









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