Moon Magic (ページ43)

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"あんた暇でしょ！"

って梨衣から一方的に押し付けられた
臣の忘れ物を届けに事務所へ。

「1人は好きじゃないのに…」

樹「あれ？」

「あっ…いっちゃん！」

樹「やっぱりAさんだ。」

「今暇？！」

丁度良かった、助かった…。

時間があるいっちゃんを道ずれに
臣に届け物を無事済ませる事が出来た。

樹「登坂さんとは…」

「臣の彼女から頼まれたの！」

樹「あ、なるほど…てっきりAさんが…」

「違う違う。笑」

樹「じゃあ、壱馬さんの？笑」

「は…？」

樹「壱馬さんの彼女？笑」

「違う！ないない…！」

完全に人選ミスしたと感じた。

樹「そんな否定しなくても」

「だってただの友達だし。笑」

樹「友達…ですか」

「友達ですよ…？」

何かと浮かんでは消える壱馬の存在が
自分の中で変化してる事には気付かない
ふりをしてた。

好きじゃないんだと言い聞かせてた。

「おっ…なに、、」

突然、頭に置かれた手に驚く。

樹「Aさんって嘘下手っすね？」

「は？」

樹「俺にはトキメキもしてないでしょ？」

「してないね…」

樹「壱馬さんだと名前だけで焦ってますよ？笑」

一気に顔が熱くなるのを感じて
下を向くしかなかった。