Moon Magic (ページ32)

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こっちに来て数日
やっぱりこっちの世界は私にとっては
いい逃げ道になってた。

特になにかあるわけじゃないし
対して変わらない時間が流れてるはずなのに
何もない事が逆に心地良かった。

誰も私を知らない、
誰も私を気にしない…

壱馬「ボーっとしてどうした？」

「ん？外見てただけ…」

訂正する…正しくは1人を除いてだね…。

壱馬「なんかあった？」

「最近そればっかだね？笑」

全てお見通しだと言われてるような
壱馬の目を見てられなくて
視線をまた外に移した。

横を見るのが怖くてずっと見てた
外の移りゆく景色も気付けば止まってた。

壱馬「ついたで？」

「あ、うん」

言われるがまま先を歩く壱馬の少し
後ろを着いて行くと到着した目的地。

壱馬「どうぞ？」

「お邪魔します…」

出逢ってからはどれくらいかわからない、
仲良くなってからも1度も
踏み入れた事の無かった彼の家。

壱馬「適当に座っといて？」

変に緊張するのは初めてだからだろうか
それとも綺麗に片付けられた
この部屋のせいなのか…

「また今日も何かのせい…」

理由を欲しがるのはなんで何だろう…。