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梨衣side
いつも通りに見えてやっぱり
いつも通りじゃないA。
臣が運転する車の後部座席で
流れ行く景色をただボーっと見てるあの子。
直接見るとやっぱり痩せたなって感じた。
「どうせ寝てないんでしょ？着くまで寝な？」
臣「その辺にブランケットあったろ？使え？」
臣も勿論理由を知ってるから
何も言わないでくれる。
『ありがとう〜♡』
こうやって笑ってる顔見りゃ普通なのに。
Aはある手術を受けた事がある。
だけど消えると言われた傷は
消える所か医者達の名誉の為に
1つの傷を複数人の医師が縫って歪な形になり
未だにハッキリと残ったまま。
戻ると言われた身体は戻らない上に
色んな事が重なり精神的に追い詰められ
とうとうこの子は心を壊した。
病院で調べた結果、
心の病を4つも発症していた。
残された時間が限られてる病気な訳じゃない。
だけど心の病を甘く見ちゃいけない事を
良く知ってる私は簡単には考えられなかった。
だって、心を壊した人こそ
いつその命を手放すかわからないから…。
本人も気付かないうちに…。
「寝てるわ。笑」
臣「ん？ほんと…笑」
「行き先分かってるよね？」
臣「まだ俺もボケてねーわ！笑」
それでも今この子から笑顔が
消えてない理由は1つだと思う。
だから何も知らないあいつと
何も知らず寝てるこの子にサプライズ…
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作者名：Moon
| 作成日時：2021年3月20日 21時
