Moon Magic (ページ13)

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壱馬side

追いかけて呼び止めてしまったのに
言葉が何故か出て来なくて…
そんな時に言われた言葉は
また俺を驚かせる。

この人に驚かされてばっか。

分からないまま言われた通り
目立たない場所…
慎と来た事がある店に連れてきたけど…

『携帯、貸してくれませんか？』

「は？携帯？」

『壊れちゃったみたいで…笑』

画面がつかない携帯を見せながら
笑うAさん。

『あ、臣に電話かけて貰えると…』

「あぁ、はい…どうぞ？」

臣さんの番号をタップして
俺のスマホを貸してあげた。

『あ、Aでーす』

臣「は？これ壱馬の番号じゃね？」

『うん、長くなるから説明飛ばすね！携帯壊れた梨衣に連絡取れない以上！』

臣「あぁ〜なるほど場所送っといて？あいつに伝えるから」

電話を切って俺に場所を送って欲しいと
お願いして来たから
言われた通り臣さんに場所を送った。

「送りましたよ？」

『ありがとう、ごめんね？』

「時間くれってこれだったんすね？」

『うん…笑』

安心した顔をするAさんを見て
思い出した都内の人間じゃない事を。