Moon Magic (ページ11)

今日:20 hit、昨日:1 hit、合計:91,060 hit

11 ページ11

壱馬side

仕事は嫌じゃない、むしろ大好き。
だけど伝わらないもどかしさにも
誤解されてしまう事にも
ちょっとだけ疲れたなって感じてた。

無になる時間が欲しくて
何も考えたくなくて気晴らしついでに
ネオンで彩られた街を
なんの目的もなくただ歩けば
何処か記憶に残る後ろ姿。

「どうかしましたか…？」

ふと見えた横顔が俺の記憶を呼び起こした、
1年ぶりに見る横顔に気付けば
声をかけてた。

『あ、携帯落としちゃって…え？』

「お久しぶりです、Aさん。」

『壱馬…だよね…？』

初めて会った時と同じように
顔すら見えてない俺に今度はすぐ
気付いてくれた。

「そうですよ…後、携帯ならそこに…」

『あ、ほんとだ！』

下ばかり探してたとこ悪いけど
ガッツリ上にあるし割と目立つ…笑

「ふふ…笑」

『え、どうかした？』

「いや、わりと目立つとこにあったんで…笑」

『どこに目付けてんねん！って？笑』

「まぁ…そうっすね。笑」

『なんだ元気じゃん？』

「え？」

『いやなんかオーラが暗く感じたからでも気のせいかな？笑ってるし？笑』

気付いたら笑ってた俺。

ただの当てずっぽうかもしれないけど
俺からしたら正直驚いたんだ。