貴方と【長谷川慎】 (ページ3)

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makoto.

その日は気持ちの良すぎるくらいの朝だった。

目覚めも良かった。

「 … かわいい、」

隣で寝てるAの頭をふわっと撫でた。

それだけでいい匂いがして幸せだった。

　

今日は、気持ちよく起きれたし、朝ごはんを作ってあげようと思った。

作ってたら、多分起きてくるだろうって。

『え、、』

その時のAの顔は、

まるで貴方誰ですか、という不審者を見るような目だった。

「おはよ、う、」

『 … 誰、ですか』

Aから出る言葉に驚きが隠せなかった。

「何言ってんの、冗談きついんだけど。」

『ほんと、ごめんなさいっ、誰ですかっ、』

彼女の焦りようは半端じゃなかった。

その様子を見て本当なんだと悟った。

「ごめっ、でてくから、っ、」

『っ、まってくださいっ、！

なんでこの写真、、

私と貴方が写ってるの、？』

その写真も覚えてないの、？

Aが、海に行こうって言って、海で撮った写真じゃん。

一番お気に入りだったんでしょ？

「あ、っ、いや、これは、っ、」

『もっ、わかんない、！、

わたしはっ、だれ、、、っ、！』

パニックを起こした。

　

　

　

　
　
　
　

　

　

　
　
　
　
　
　
　

Aは、一過性全健忘という病気だった。