薔薇の棘

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樹「 … 不安？ 」

『 うん、まあね。 』







二人で久しぶりに飲みに来た。

二人で飲むのはいつぶりだろうか。









樹「 俺は嫌だ、Aが紅一点のままでいてほしい 」

『 私だって、そう思うよ 』








Aが私だって、と使うときは大抵なにかが辛いとき。

そんなときは必ず俺たちが支えてやるんだ。









樹「 葵ちゃん、Aのこと絶対嫌いだと思う 」

『 いやいや、笑 』

樹「 本当にあると思う、俺は。 」

『 ないよ、 』

樹「 何かあったら俺が守るから、 」









気持ちが俺にないのなんてとっくにわかってる。

でも幼馴染なんだから、少しくらい贔屓されたっていいだろう。









『 … あした、だよ 』

樹「 そうだね 」









そうだ、大事なのは1日目。









樹「 … 健太さんなんかに、渡さない、 」









酔って寝てしまったAの頭を撫でて、呟いた。

そう、Aが好きなのは健太さんなんだ。









『 けんたさん、 』

健太「 なに 」

『 今日は０の日ですかー。 』






健太「 A！！ 」

『 １００の日、ですね 』

健太「 ひひッ、 」







二人でいることも多ければ、互いが互いのことを恋愛対象としてみているはずなのに、

お互いにお互いが気付いてない。






だから、もしかしたらあるかもって思ってしまう。



　



　

　
　
　

第ニ章 【 幕開け 】→←＿＿＿

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