薔薇の棘

＿＿＿ ページ35

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『 … 下に来てました？ 』

健太「 うん、来てたよ 」

『 毎日来るんですね 』

健太「 まあ、それが仕事みたいなもんだからね 」








一週間というのはとても長くて。

まだ３日目だなんて、辛い。







『 … 怖い 』

健太「 え？ 」









本当に怖くてたまらない。

ノックされるたびに、なにか来るんじゃないかって。









『 … わたし、退院したらアメリカに行きます 』

健太「 どうして、 」

『 東京にいると、疲れることばっかりなんです。
やりたいことを、するんです 』









アメリカに行けば、



記者から追われる生活、

葵ちゃんのことを考えなければいけない生活



それから逃れられるだろうと思った。









『 … もう、死にたいくらい辛い 』

健太「 いいよ。無理に引き止めはしない。
Aが帰ってきたいときに帰ってくればいい。

健太はそれまでAの居場所用意して待ってるから。 」







健太さんはそういうと、私を抱きしめた。









健太「 だけどこれから毎日ハグだけさせて、

Aの充電がいる、 」

『 … ふふ、なんですかそれ 笑 』









健太さんは本当に安心できるなあ。

優しくて、私を全部包み込んでくれる。






　


　

　




　



『 すき、 』

健太「 え？ 」

『 帰ってきたら、伝えたいことがあります 』

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