いつつ ページ8
…と、そんなことがあって数日。
岩泉先輩は特に変わった様子も無く、あの試合の日の行動は何かの間違いじゃないのかと思う程、私は普通の日々を過ごしていた。
だけれどやっぱり数学のノートを取りながらも考えるのは、どう頑張っても頭から抜けてくれない先輩の事
試合はそこそこの差をつけての勝ち。一年生でレギュラーを勝ち取った二人もタイプは違うけどチームにかなり貢献してくれた。
試合後に及川先輩が”多少また変わった子もいるけど、いいチームになりそうだ”と笑っていたけれど、私もそう思う
…でもやっぱり、試合中自然と目で追ってしまうのは岩泉先輩で、彼が、エースが得点を決めた時に湧き上がる声援が心地よかった
少しその時の情景を思い出していると思わず笑顔になってしまうから先輩は不思議だ
…だけど、それを思い出す度にキスされたことも思い出すのはどうも勘弁したいと思う
正直恥ずかしいどころではなかった。けれど、嫌なんて言えるハズもなく
(実際嫌ではなかった、し。嫌なのかなんて聞かれても何にも言えないし、…先輩はずるいなぁ)
そう思いつつ、ふと窓の外に目を向ける
「…あ、及川先輩……」
外にはグラウンドでトラックを走る及川先輩
まだまだ涼しそうな表情をしながら何処かに手を振っている。きっと女子が見ているんだろう
及川先輩は相変わらずだ
暫く眺めていると悠々と走る及川先輩の隣をスッと走り抜ける人影
結構な距離があるのに私のクラスまで聞こえてくる男子の歓声
「岩泉ー!!抜け抜けー!!」
「よくやった!!!」
「及川負けろー!!」
「ちょっと!?負けろって何…って岩ちゃん!?」
その先輩達の声に慌てて抜いた人を探し出す
(……居た!)
綺麗なフォームで先を走る岩泉先輩。
及川先輩に目がいって気付かなかったけれど、岩泉先輩の居る5組と合同体育だったらしい
流石に岩泉先輩の声は聞こえないけれど、5組の先輩達の歓声が状況を伝えてくれる
届かないと分かってるけど、
「…頑張れ、先輩」
口に出た言葉は純粋な応援
及川先輩が必死に追い上げようと頑張っているけど中々追いつけないらしく苦戦しているのを見、少ししてハッと黒板に目を戻す
け、結構進んでる…!!
時計を確認し、直ぐにノートに取り掛かる。
残りの授業時間内に写せるかな……?
外の声に少し苛立っている先生を横目に、私も少し、ため息をついた
111人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kite(プロフ) - セノさん» コメントありがとうございます。文才なんてそんな…でも嬉しいです。これからもご贔屓によろしくお願いします (2015年3月12日 20時) (レス) id: b3e6317ab4 (このIDを非表示/違反報告)
セノ - ドキドキと画面の前ニヤニヤ=作者様の文才。という方程式を私は知っている!!((バッ 物凄く面白いです!この作品で、岩ちゃんへの愛が増えました!!応援してます! (2015年3月12日 3時) (レス) id: d1fca42de7 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん - すごくおもしろかったです。 (2014年11月20日 22時) (レス) id: f914af4869 (このIDを非表示/違反報告)
もふた(プロフ) - 岩ちゃんかっこいい!!!!!!!!!!これからも頑張ってください!!!!!!!!!!応援してます(*´∀`*) (2014年10月23日 22時) (レス) id: bda7562276 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - とても面白かったです。今後も頑張って下さい (2014年10月19日 16時) (レス) id: 1edd946607 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kite | 作成日時:2014年9月24日 21時