とお ページ13
そのまま手を引かれ校舎の中を歩いていく。渡り廊下を通ると次第に人の姿は減り
そして、そんな人影が減るほど私の緊張はどんどんと高まっていく
「3年の方には面倒だから行けねぇから…下、降りる…それでいいか?出来るだけ心地いいとこ探すから」
ぐるりと大回りして辿り着いた階段を降りる前に先輩が私にそう声をかける
「私は何処でも大丈夫です!」
それに勢い良く(少し食い気味になってしまった)答えると、一瞬驚いた顔をしてからキュッと目元を細め「元気だな」と先輩が笑う
「…そ、そうですか?」
「あぁ。元気ある方が俺は好きだしそのままでいい」
「わかりました…?」
これは元気があるって事なのか、そう言う意味で若干尋ね返すと、また少し笑い「そういうとこがな」と言われ、ますます首を傾げるも、先輩は何も言わずわしゃわしゃと私の髪を撫でるだけだった。
………
……
あれから少ししつこく聞いてみるもはぐらかされてしまい聞けずじまい。大人しく先輩の腕に引かれていると、一つの扉の前で彼は立ち止まる
「…んし、ついた。」
そう小さく呟くと先輩は私の腕から手を離し、ドアノブに手を掛け、開けた
…
そこから見えたの青空。そして木の間を縫って地面に届きキラキラと輝く木漏れ日
校舎裏だろうか。スギか何かの木陰のようだ
「…わぁ…」
思わず感嘆の声が漏れる
「中々いいだろ?どうだ、ここで食べるか」
「はい…ここ、凄く素敵です…」
先輩はそうか、と答えるとまた私の手を引いて
木の根元まで連れて行ってくれる
根元から上を見上げるとまたその大きさに圧倒された。
「こんなところ、あったんですね…」
「俺も最近気付いた。ロードワークしてる時に見つけて、一回近くまで来たかったんだ」
中々涼しくて過ごしやすいだろ?と言う先輩の言葉にコクコクと頷く。
…そして何より、過ごしやすいだけじゃなくて
「それに…滅多にココ他の奴こねぇし」
「…!ですね…知らない人多いんじゃないかなって思います」
私が思ったことを読まれてしまったんじゃないか、というタイミングに少し驚くが取り敢えず同意を示す。
「ああ。だから…ちょっとぐらいなら色々出来んだろ」
「えっ?」
「コッチの話だ。…ほら来いよ、飯食べようぜ」
どっかりと根元に座り込んだ先輩。
さっきの言葉は気になるけれどお腹も空いて来たので大人しく隣に腰掛けた
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kite(プロフ) - セノさん» コメントありがとうございます。文才なんてそんな…でも嬉しいです。これからもご贔屓によろしくお願いします (2015年3月12日 20時) (レス) id: b3e6317ab4 (このIDを非表示/違反報告)
セノ - ドキドキと画面の前ニヤニヤ=作者様の文才。という方程式を私は知っている!!((バッ 物凄く面白いです!この作品で、岩ちゃんへの愛が増えました!!応援してます! (2015年3月12日 3時) (レス) id: d1fca42de7 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん - すごくおもしろかったです。 (2014年11月20日 22時) (レス) id: f914af4869 (このIDを非表示/違反報告)
もふた(プロフ) - 岩ちゃんかっこいい!!!!!!!!!!これからも頑張ってください!!!!!!!!!!応援してます(*´∀`*) (2014年10月23日 22時) (レス) id: bda7562276 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - とても面白かったです。今後も頑張って下さい (2014年10月19日 16時) (レス) id: 1edd946607 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kite | 作成日時:2014年9月24日 21時