プロローグ ページ2
「…好きだ、」
そう先輩の口から紡がれた言葉、静かな空間に一つ落ちた声
どくりどくりと心臓がうるさい、顔が火照ってくる
「…っ…せんぱい、」
…わたしも、なんです。
なんとか応えたい、貴方の言葉に応えたい。そんな思いで私も口を開くが、思ったように声が出ない
「落ち着け、吉田…ちゃんと俺は待ってるから」
ゆっくり深呼吸しろ。とそう言う先輩の声も少しだけ強張っているように感じた。
…あたりまえ、だろう。好きな人に思いを伝える時なんて…私なら自分でいっぱいいっぱいできっと相手を気遣ってられない
…ふっと深呼吸する。…大丈夫、大丈夫…がんばれ、私…
そう自己暗示し、少し私の背丈より上にある先輩の顔を見上げる
…目が合う、先輩の喉がくっ、と動いた。…先輩も緊張してるのだろうか、
そう思うとまた少し楽になった気がする
…意を決した。
「…先輩、わたしも先輩のこと…好きなんです」
どうにか逸らさずに先輩の目を見つめ、そう告げると先輩は少し驚いたような表情を浮かべ次の瞬間、くしゃり目元を緩め、笑った。
「…そうかよ…あー…なんだ、両想いって、奴だったのかよ」
そうぽつりと呟くと先輩は自分の髪をガシガシと掻いた
そして、もう一度わたしに向き直る
「じゃあ、改めて。……俺と付き合って下さい」
「はいっ…!勿論です…!!」
…満たされるってこういうことなんだな、と思った。大好きな先輩がいる、隣にいま、いる。
少し恥ずかしそうにありがとよ。と笑う先輩に胸がキュッと苦しくなる
「…じゃあ、吉田」
「はい、岩泉、先輩」
「帰るか。…送っていく」
「…!!ハイッ!!」
今のわたしはきっと、誰よりも幸せだ
111人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kite(プロフ) - セノさん» コメントありがとうございます。文才なんてそんな…でも嬉しいです。これからもご贔屓によろしくお願いします (2015年3月12日 20時) (レス) id: b3e6317ab4 (このIDを非表示/違反報告)
セノ - ドキドキと画面の前ニヤニヤ=作者様の文才。という方程式を私は知っている!!((バッ 物凄く面白いです!この作品で、岩ちゃんへの愛が増えました!!応援してます! (2015年3月12日 3時) (レス) id: d1fca42de7 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん - すごくおもしろかったです。 (2014年11月20日 22時) (レス) id: f914af4869 (このIDを非表示/違反報告)
もふた(プロフ) - 岩ちゃんかっこいい!!!!!!!!!!これからも頑張ってください!!!!!!!!!!応援してます(*´∀`*) (2014年10月23日 22時) (レス) id: bda7562276 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - とても面白かったです。今後も頑張って下さい (2014年10月19日 16時) (レス) id: 1edd946607 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kite | 作成日時:2014年9月24日 21時