【刀剣乱舞】い,じめられっ子の本丸生活

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薬研と鯰尾の時もそうだが、堀川と山姥切の姿を見ているとやはり兄弟はいいなぁと感じてしまう。
　
そう縁側で座っていた時に思った。
　
ふいに兄の顔が浮かんでくる。
　
優しくて、明るくて、誰からも頼りにされていて。
　
私は兄を尊敬していた。
　
何度か自分も変わろうと思っても何も出来なかった。
　
ある日どうしたら兄のようになれるのか直接聞いたこともあった。
　
結局は何も出来ずにい,じめられるという結果になっていたのだが。
　
なんて言ってたっけな...？
　

　
『ねぇ、どうやったらお兄ちゃんみたいに友達がたくさんできるの？』
　
兄は何も考えずにこう言った。
　
兄「気がつけば出来てたな」
　
『いいなぁ...』
　
私も気がつけば出来てればいいのに。
　
兄「仲良くなりたいなって人がいたら自分から話しかけるのも大事だぞ」
　
『私にはできないよ...』
　
話すのが苦手なのに話にいくなんて無理だ。
　
兄「友達ってのはすぐにできるものじゃないよ、結構時間がかかるんだよ」
　
『そうなの？』
　
すると兄は私に優しい笑顔で答えてくれた。
　
兄「焦らなくていいんだよ、けど何もしないのはダメ。みんな話しかけてほしい気持ちは同じ。だから少しでも話しかけることが大事。自分のことをちょっとでも話すだけで、相手は心を開いてくれるよ」
　
そう言って私の頭を優しく撫でてくれた。
　

　
あの撫でてくれた手は優しくて温かかった。
　
けどもういない。
　
あの、優しくて、明るくて、誰からも頼りにされていた兄はもうこの世にいない。
　
...思い出したら涙が出てきてしまった。
　
初めは少ししか出なかった涙が溢れてくる。
　
みんなに見られたら...そう思って何度も拭くが止まらない。
　
ふいに頭に誰かの手が乗った気がした。
　
山姥切「どうした、なんかあったか？」
　
山姥切だった。
　
『あっいや...なっなんでもないです...兄のことを思い出したら少し寂しく感じて...』
　
山姥切は無言で私の隣に座る。

山姥切「主の兄がどんな人だったかなんて俺は知らない。けど寂しいなら、一緒にいてやる...。だから泣くな」
　
優しく撫でてくれる山姥切の手は兄のように温かい。
　
お兄ちゃん、見ていて。
　
私、前より変わってみせるから。

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