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ちょっといつもと違うメイクとか 初めて見るワンピースとか、髪を巻いたあととか
風磨「A」
「ん……、
…ぁ！…風磨くん……」
体を起こして俺の存在に気付けば パチっと目を開けて また泣きそうな顔をするA
風磨「遅くなってごめん」
ぎゅうっと力いっぱいAを抱きしめた。
「…お仕事……おつかれさま…」
言葉では そう言ってくれるけど Aが俺を抱きしめる力がだんだんと強くなる。
ああ、寂しい思いさせてしまった。
風磨「ごめん…、」
「だいじょうぶ…、」
風磨「A…？」
体わ離して 静かになったAの顔を覗けば 涙を一筋 流していた。
風磨「A、これ新しいやつ？」
「ぇ……？」
風磨「かわいいじゃん。
メイクもちょっといつもと違うよな？髪も…
あ、A夜ご飯作ってくれたの？
食べようよ」
「ごめん……」
風磨「ん…？」
立ち上がろうとした瞬間 Aが俺の服の袖をぎゅっと握った。
行かないでって…
「風磨くん…お仕事だって分かってるの…
頭では分かってるのに…早く帰ってきてとか、思っちゃったの……
ごめんね…わがままで、ごめんなさい…」
ああ、何してんだよ俺
好きな人に なんて顔させてんだよ…
Aの気持ち 考えればそんなの、すぐに分かるはずなのに…
もう一度 Aの目線に合わせるようにしゃがんだ。
風磨「わがままじゃないよ。
いや、Aのわがままなら大歓迎。
早く帰ってこいとか、会いたいとか、我慢せずに教えてほしい」
「…めんどくさいって、思わない……？」
風磨「思わないよ。むしろ、嬉しい。
愛されてんなぁって。」
「……ふうまくんのばか…」
風磨「ん…おいで。」
もう一度 Aを抱きしめた。
いつ抱きしめても 俺の腕の中にすっぽり埋まってしまうAの体は小さくて 儚くて 愛おしい。
出会ったときからそうだった。
その小さな身体で いっつも大きなものを抱えて
「会いたかった……
早く帰ってきてほしかった…
なんで、今日なの……」
そうやって、わがままたくさん言ってよ。
めんどくさいなんて 思わないよ。
だって、Aのことが愛おしくてしょうがないんだもん。
怒ってるAの顔でさえ かわいいって思っちゃうんだよ？
はぁ、重症だな。俺。笑
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作者名：ゆう | 作成日時：2021年1月7日 23時
