第4話 ページ5
汗がぽたりと地面に落ちる。その汗は暑さによるものなのか、それとも冷や汗と呼ばれるものなのか。少なくともそんなことを考えている余裕は俺には無かった。
ただただ自分の両手を見つめ固まっていると、コネシマと鬱先生がもう目の前まで歩いて来ていることに気付く。
｢なぁコネシマ！鬱先生！俺はここに居るんだよ…！｣
ふらふらと近づき二人に手を伸ばすがそれも虚しく、コネシマと鬱先生は俺の"中"を通り抜けていった。すぐさま振り返るが、二人が振り返ることは無かった。___俺から二人の後ろ姿が視認できなくなるまで。
｢ははっ…｣
そんな乾いた笑い声は、街行く人々の声で一瞬にして掻き消された。
｢これから俺はどうすれば良いんや…｣
思わず仲間達がよく口にする関西弁とやらになってしまう。俺は基本標準語で話すが、彼らと話をしているとつい移ってしまうのだ。…そんな彼らとも、もう一生話せることは無いのだろうか。
｢そんなの嫌だ…｣
自然と目から涙が零れた。
何故俺はあの日、あの時間に城下街へ行ってしまったのだろうか。暑くて眠れないとかそんな単純な理由だったっけ。
何故俺は男に対しての警戒心が薄くなってしまったのだろうか。それは男が気配や殺気だだ漏れで襲いかかってきたから…かな。今思うと全てわざとで作戦だったのかもしれない。
｢俺の…せいだ｣
城下街へ行ってしまったのは暑いからでは無く、俺が暑くて眠れないと理由付けて外へ出ると判断したから。
男に対して警戒心が薄くなってしまったのは俺がポンコツだから。きっとゾムやひとらんらんならこんな結果にならなかった。
俺は男が持っていたナイフがa国の物だとロボロに報告できなかった。そもそも外出がバレて怒られるのを恐れ、男を拘束した瞬間に報告できなかったのが駄目だった。頭の回転が速いオスマンやエーミールなら、後の事を考えすぐに報告していたはずだ。
そして今、俺がこんな状態になっているせいでコネシマや鬱先生の時間を割いてしまっている。もしかしたら他の人達にも迷惑をかけているかもしれない。
俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ___
｢ごめんなさい｣
そんな謝罪の言葉は、誰にも聞こえずただただ街の騒音に掻き消され地面へと溶けていった。
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椿 - おもろすぎて周回してrワン！ (2021年4月24日 11時) (
レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 続きが気になりワン！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
秋刀魚大好き民 - ｱｧｰwrwrdﾄｳﾄｲﾖｫ!皆さんどうしたんでs ワン！ (2019年12月31日 15時) (レス) id: 3cfb10bf82 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！！！更新頑張ってください！！応援してるワン！！！ (2019年12月2日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 自分のペースで更新頑張ってくだs…くぅーん(a国にいってもポチはついていきそうですねw) (2019年11月9日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつお | 作成日時：2019年5月19日 7時
