第17話 ページ19
｢やっぱり駄目か…｣
俺は部屋にあるあらゆる物に手をかけたが、どれにも触れることができなかった。しかし、椅子やデスク等家具には触れることができた。
｢うーん、困ったな…｣
ベッドに座り考える。家具に触れることができるのは非常に有難い。ふかふかベッドを目の前に、床で寝るのは辛いからな。しかし小物類に触れることができないのは痛い。
｢紙などでこの状況を伝えることは不可能…｣
となるとやはり透明人間の状態から戻るしか、仲間達に安否を伝える方法は無い。
｢ん？そういえば何でクッキーと包装に触れたんだろう…？｣
……もしかして俺が液体を浴びた時に身に付けていたから…？となるとクッキーも透明化する…？いやでもポチが美味しそうに食べていた。でも人間以外の動物には俺のことが見えるから例外って可能性も…
｢あー！もう分からん！｣
俺は両手を広げ、ベッドに寝っころがった。このまま考えてたら頭痛くなるわ…
あ、そういえば俺今何を身に付けてんだっけな？そう思い身体を起こしてポケットを漁る。ポケットから出てきたのは四本のナイフだけだった。
｢ナイフだけか…｣
男との戦闘で使用したロープとハンカチは、恐らく男の手によって持ち去られたのであろう。
｢男の一撃を受け止めたナイフはあるが…これだじゃ分からないよなぁ…｣
少し傷の付いたナイフを眺め呟く。現状、仲間達に俺の存在を伝える術はゼロだった。
｢…寝よ｣
結構睡眠は取った方だが、色々考えて疲れた。明日から頑張ろう…俺はそんなことを思いながら、ベッドに横になった。
その僅か数秒後、静まり返った部屋に小さな寝息の音だけが響いた。誰にも聞こえない寝息が。
コンコン
そんなノック音で俺は目を覚ました。時計を確認すると午後11時30分。思わず｢はーい｣と返事をしようとしたが、今の俺は透明人間。そう再認識した瞬間、緊張で身体が震えた。
ノックから数秒後、ゆっくりと扉が開く。そこから顔を覗かせたのは、俺のよく知る人物だった。
｢ひと、らんらん…｣
｢A、居る？｣
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椿 - おもろすぎて周回してrワン！ (2021年4月24日 11時) (
レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 続きが気になりワン！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
秋刀魚大好き民 - ｱｧｰwrwrdﾄｳﾄｲﾖｫ!皆さんどうしたんでs ワン！ (2019年12月31日 15時) (レス) id: 3cfb10bf82 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！！！更新頑張ってください！！応援してるワン！！！ (2019年12月2日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 自分のペースで更新頑張ってくだs…くぅーん(a国にいってもポチはついていきそうですねw) (2019年11月9日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつお | 作成日時：2019年5月19日 7時
