第15話 ページ16
丁度角を曲がろうとした時、目に留まったのは俺の居る方向へ向かって歩いてくるシャオロンの姿だった。俺は突発的に後退りし身を隠す。数秒後に｢あ、隠れる意味無かったんだ…｣と思いながらも、そのままシャオロンを目で追った。
シャオロンは何処へ向かっているのか早足で、表情はとても強ばっていた。
シャオロンが俺の目の前を通り過ぎたその時、
｢シャオロン様！｣
そう声をあげ、シャオロンの後を追い走ってきたのは見覚えのある女性だった。
｢(あ、ソラ…)｣
俺の班の副班長であり、先程ポチにあげたクッキーをくれた子だ。彼女は手を膝に置き息を整えてから、振り返ったシャオロンに言った。
｢班長が居なくなったって本当ですか！？｣
｢…っ。｣
思わずドキッとしてしまった。シャオロンの様子から薄々察してはいたけど、やはり俺についてのことだった…か。俺の中で罪悪感が込み上げてくる。
｢…どこで聞いたんやそれ｣
シャオロンがソラに鋭い視線を向けながら言う。
｢任務から帰ってきたところ、たまたまコネシマ様達が話しているのを耳にしました。シャオロン様お答えください、班長は___｢せや、Aは昨晩から行方不明や｣…っ！｣
…胸が苦しい。何かで締め付けられているような気分だ。二人の会話を見て聞いて、俺はその場にしゃがみこむ。溢れんばかりの罪悪感。そしてポチが忘れさせてくれた孤独感。それが俺を苦しめる原因だった。
｢やっぱり…今朝からすれ違う班長達の様子がおかしいと思っていました。班長の行方を聞いても皆誤魔化すばかりで…班長は無事なんですか！？｣
冷や汗が床へと落ちる。
ごめんソラ。
｢無事かはまだ分かってへん。…そろそろ良いか？これから重要な会議があるねん｣
｢…っ。すみません｣
ごめんシャオロン、皆。
悔しそうに立ち尽くすソラにシャオロンは背を向けた。数歩歩いてから、何かを思い出したかのように振り返り、
｢この話は他の奴には内緒にしてくれへん？今のところ幹部達にしか伝わってないんや、この事は。あと城周辺の捜索は充分したから、指示があるまで勝手に動かんようにな｣
｢…了解しました｣
うつむきながら返事をするソラを見て俺は、思わずその場から逃げ出した。
｢迷惑ばっかかけてごめんなぁ…｣
零れ落ちた涙はカーペットに染み込むことなく消えていった。
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椿 - おもろすぎて周回してrワン！ (2021年4月24日 11時) (
レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 続きが気になりワン！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
秋刀魚大好き民 - ｱｧｰwrwrdﾄｳﾄｲﾖｫ!皆さんどうしたんでs ワン！ (2019年12月31日 15時) (レス) id: 3cfb10bf82 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！！！更新頑張ってください！！応援してるワン！！！ (2019年12月2日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 自分のペースで更新頑張ってくだs…くぅーん(a国にいってもポチはついていきそうですねw) (2019年11月9日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつお | 作成日時：2019年5月19日 7時
