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第13話 ページ14

「ん?そういえば…」





ふと、休憩中に一つの疑問が頭に浮かんだ。…昨晩から一切飲食していないのに、お腹が空かない。喉も渇かない。





「これも透明人間になったから…だろうな」





しかし、例えお腹が空いていなくとも、食べ物を口にしたいという欲は消えないようで。





「…オスマンとお茶会したいなー」





甘味が好きな俺とオスマンは、よく仕事の合間に会議室でお茶会を開いていた。たまに総統室から抜け出したグルッペンが混ざってくることもあったなぁ。…まぁ大体トントンに見つかり怒られお開きになるんだけどね。





「ワン!」





そんな思い出に浸っていた俺は、ポチの鳴き声で我に返る。





「どしたポチ?」





ポチはそわそわしていていて、どこか元気が無さげに、何かを求めるような瞳でこちらを見つめていた。その姿を見て、何となくポチが求めている物が分かった。





「もしかしてお腹空いたのか?」





「ワン!!」





ポチはまるでYESと答えるかのように大きく鳴いた。





「そうかそうか……うーん、どうしたものかねぇ…」





今の俺には物を買うことは不可能だ。こっそり持ってくることは可能かもしれないが、流石に気が引ける。





「何か持ってないかな…」





俺は上着やズボンのポケットを触る。と、左手で触れた上着のポケットが膨れ上がっていることに気付く。





「ん、何だこれ…?」





取り出してみるとそれはクッキーだった。ピンク色のリボンで包装された少し欠けているクッキー。なんでクッキーがポケットに…?初めはそう思ったが、その理由はじわじわと脳内に浮かび上がった。





「あぁ、昨日貰った…」





食堂で昼食を取っている時に部下から貰ったんだった。日頃の礼を込めて…と。





「うーむ、手持ちはこれしかないからな…しゃーないか…」





心の中ですまんと思いながらも俺は、数枚のクッキーを手に取り砕いてポチの前に差し出す。するとポチは尻尾を振りながら、嬉しそうにクッキーを食べ始めた。ちなみに一欠片は頂きましたよ。美味い。





「物に触れることは可能なんだなぁ。いや、自分の持ち物だからかもしれないが…」





クッキーが入っていた包装を眺めながら呟く。あれ、もしかして俺、このクッキーをポケットに入れっぱなしにしながら昨晩寝ようとしてた…?





「も、申し訳ない…」





戻ったら謝らなきゃな……。

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椿 - おもろすぎて周回してrワン! (2021年4月24日 11時) (レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが気になりワン! (2021年4月8日 20時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
秋刀魚大好き民 - アァーwrwrdトウトイヨォ!皆さんどうしたんでs ワン! (2019年12月31日 15時) (レス) id: 3cfb10bf82 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!!!更新頑張ってください!!応援してるワン!!! (2019年12月2日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 自分のペースで更新頑張ってくだs…くぅーん(a国にいってもポチはついていきそうですねw) (2019年11月9日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まつお | 作成日時:2019年5月19日 7時

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