第12話 ページ13
｢さーて、まず始めに検証したいことが一つ。俺はお前にしか認識されないかってことだ｣
人間には俺の姿を認識することはできなかった。しかしこの犬はできる…では他の動物は？そう考えた俺は、路地裏を歩き回り野良猫を探すことにした。
｢ここら辺はあいつが居るスポットのはずなんだが…っておっ、発見｣
休日によく路地裏巡りをしていたかいがあった。薄汚れたゴミ箱の上で見慣れた黒猫が顔を洗っている。
｢おーい、クロー！俺だー！見えるかー？｣
俺はこの黒猫に勝手ながら"クロ"と名付けている。っと、そんなどうでもいい情報は置いといて…俺がそう名前を呼ぶとクロはこちらを向き、｢にゃあ｣と鳴いた。念のため頭を撫でてみると、先程と同様、触れることができた。
｢ん〜、人間以外の動物には俺のことが見える感じかな？もっと探してみますか〜｣
それから俺はいくつか路地裏を周り、野良猫を見つけては話しかける、の作業を繰り返した。その結果、俺の中で｢人間以外の動物は俺のことを認識できる｣｢人間以外の動物は触れることができる｣という結論に至った。
｢はぁ、ちと疲れたな…休むか｣
｢ワン！！｣
いくら日陰の路地裏とはいえ、かなりの時間歩き回った。そりゃあ体力も消耗する訳で。俺は路地裏の一角に座り込み、額の汗を拭おうとポケットに手をかける。しかし、求めていた物はそこには無かった。
｢あれ、ハンカチが無い……あ、そうか｣
昨晩の"アレ"の時にどっかに落としたのか……くそー、思い出したら何かイライラしてきたぞ…
｢はぁ…｣
思わず漏れたため息に、隣に座っていた犬が｢ワン｣と心配そうに鳴いた。そんな姿がまるで人間のようで。
｢くくっ…お前は優しいなぁ｣
そう言って頭をぽんぽんと撫でると、犬は満足げに目を細め尻尾を振った。
…そういえばさっきからこいつのこと、ずっと犬犬呼んでたけど何か名前付けて呼んでやりたいな。
｢うーん……ポチとか？｣
しばらくの間考え思い付いた名前は、とてもありきたりなものだった。
｢ごめん…俺ネーミングセンス0なんや…｣
そう申し訳なさげに話しかける俺とは対照に、ポチと名付けられたそいつは嬉しそうに｢ワン！！｣と鳴いた。
｢ふふ、これは気に入ってもらえたってことで良いんかな？…これからも仲良くしてな、ポチ｣
｢ワン！！｣
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椿 - おもろすぎて周回してrワン！ (2021年4月24日 11時) (
レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 続きが気になりワン！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
秋刀魚大好き民 - ｱｧｰwrwrdﾄｳﾄｲﾖｫ!皆さんどうしたんでs ワン！ (2019年12月31日 15時) (レス) id: 3cfb10bf82 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！！！更新頑張ってください！！応援してるワン！！！ (2019年12月2日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 自分のペースで更新頑張ってくだs…くぅーん(a国にいってもポチはついていきそうですねw) (2019年11月9日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつお | 作成日時：2019年5月19日 7時
