第1話 ページ2
その日はとても寝苦しい熱帯夜だった。
真っ暗闇の中に点々と星が輝く空の下、俺は一人城下街を歩いていた。理由は一つ、眠れないから。
本当は深夜の外出は禁止なんだが、今日ばかりは仕方がない。暑すぎるのが悪いんだ。
俺はそんな言い訳と少しの罪悪感を覚えながら夜の街を徘徊する。…やっぱり外も暑いな。気分転換になりゃしない。
｢外出たの失敗だったかな…｣
書記長からの叱責というリスクを抱えているのにも関わらず、外に出て得られた物は罪悪感だけだった。
｢…帰ろ｣
そう呟き身体を今まで歩いてきた道へ方向転換させる。と、同時に背後から何者かの気配を感じた。
｢(そこの路地裏か…)｣
見なくてもすぐに分かる程の気配と殺気だった。気配の数は恐らく一人、殺気を消しきれてない辺りから察するに手練れではない。俺一人で充分だな。
｢(さてどうしたもんか…)｣
相手に"自分の存在がバレた"と思われるのはまずい。逃走されると面倒だ。そうなるとこちらが油断しているように見せかけて、返り討ちにするのがベストか。
そう判断した俺は欠伸をしながら、来た道を戻る。ちなみに欠伸は自然に出たものだ。くっそ、早く帰って寝たい。
そんなことを考えながら歩いて数歩。足音は聞こえないが、明らかに何者かが走ってくる気配を感じた俺は、すぐさまポケットからナイフを取り出し相手の攻撃を止める。
ｶﾞｼｬｯ
静かな城下街にナイフの擦れる音だけが響いた。俺に攻撃をしてきた人物は男で、全身黒の戦闘服を身につけていた。
｢(重い…少しでも手ぇ抜いたら終わるなこれ)｣
全身黒ずくめの男の一撃は想像してたものより重いものだった。俺はしばらくその一撃を受け止め続け、相手の力が少し緩んだ際に押し返す。男が受け身を取れずふらついた瞬間を見逃さず、男の腹に向け渾身の蹴りをお見舞いした。男は｢うっ｣と声を上げ倒れる。そこをすぐさま取り押さえ、無事男を拘束することに成功した。
｢あーどうしよ…これ報告したら怒られるやつですやん…｣
耳に付けていたインカムに手を当て、報告するかを少し考える。するとたまたまあったロープで両腕両脚を拘束された男が突然笑い始める。
｢…何がおかしい｣
冷たい視線を向けながら問うと、男は首だけをこちらに向け口を開けた。どんな言葉が出てくるか、そう思った瞬間男の口から吐き出されたものは言葉ではなかった。
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椿 - おもろすぎて周回してrワン！ (2021年4月24日 11時) (
レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 続きが気になりワン！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
秋刀魚大好き民 - ｱｧｰwrwrdﾄｳﾄｲﾖｫ!皆さんどうしたんでs ワン！ (2019年12月31日 15時) (レス) id: 3cfb10bf82 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！！！更新頑張ってください！！応援してるワン！！！ (2019年12月2日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 自分のペースで更新頑張ってくだs…くぅーん(a国にいってもポチはついていきそうですねw) (2019年11月9日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつお | 作成日時：2019年5月19日 7時
