第25話 ページ27
｢あっそういえば、この犬どうするん？｣
思い出したようにロボロさんが言った。
このまま城に残すか、城下街に還すか、ということだろう。
…個人的には前者が望ましい。この犬には不可思議な点が多すぎる。
｢ふむ……。まだこの犬を手放すのは惜しいな。ひとらん、お前の飼育小屋に置いておくことは可能か｣
良かった、グルッペンさんも同じ考えのようだ。
問われた本人のひとらんらんさんは｢もちろん｣と答え、犬の頭を撫でた。
｢よし、では今日はこの辺でお開きとしよう。これ以上考えていたら明日の任務に支障が出る｣
グルッペンさんの言葉に、幹部達全員が頷く。
｢了解。ほんじゃ、皆おやすみ｣
そんなトントンさんの一言に、俺は軽く頭を下げてその場を後にした。
｢(…本当はもう少し調べたかったんやけど)｣
薄暗い廊下を歩きながら思う。
しかしこれ以上あの場に居たら、考えることを止められないと思うし、まだ夜勤という仕事も残っている。
｢(全ては明日だな…)｣
俺は持ち場である城壁へ向かった。
同時刻。エーミールとひとらんらんは犬を連れて、城内にある飼育小屋を目指し歩いていた。
｢…Aさんは一体どこに居るんでしょうか｣
｢分からない。…でも絶対に生きてはいるから、どうにかしてでも見つけ出してみせる｣
｢…！そうですね｣
そんな会話を交わしていると、ふとひとらんらんが足を止めた。
｢…？どうかされましたか？｣
数歩歩いてひとらんらんが立ち止まっている事に気が付いたエーミールは、振り返り話しかける。
｢ねぇ、エーミール。俺達Aの部屋出る時、扉閉めたっけ｣
ひとらんらんが立ち止まり見つめていたのは、Aの部屋の扉だった。
｢えっと、あの時は急いでいたから…閉めてないかもしれません｣
｢じゃあ何でこの扉、閉まってるんだろう｣
｢誰かこの廊下を通った人物が閉めたのでは？｣そうエーミールは答えようとしたが、寸前で口を閉ざす。彼も扉が閉まっていることに疑問を覚えたからだ。
その理由は我々軍の夜の早さにあった。幹部も兵士達も、通常午後10時にはほとんどが眠りについている。それ以降に廊下を通る人物は居ないといっても過言ではない。一部例外な幹部も居るが…彼らは基本自室に居るだろう。
ひとらんらんは真剣な眼差しでエーミールに言った。
｢やっぱりこの城、誰か居る｣
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椿 - おもろすぎて周回してrワン！ (2021年4月24日 11時) (
レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - 続きが気になりワン！ (2021年4月8日 20時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
秋刀魚大好き民 - ｱｧｰwrwrdﾄｳﾄｲﾖｫ!皆さんどうしたんでs ワン！ (2019年12月31日 15時) (レス) id: 3cfb10bf82 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！！！更新頑張ってください！！応援してるワン！！！ (2019年12月2日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
snow - 自分のペースで更新頑張ってくだs…くぅーん(a国にいってもポチはついていきそうですねw) (2019年11月9日 16時) (レス) id: a79ef504eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まつお | 作成日時：2019年5月19日 7時
