【赤羽業】隣の席がうざいです。Part６

２０５時間目 ページ34

「あー。今はいいや」


『は？』


「……」








カルマは黒い笑みの表情から真面目な顔になった。








「……跡。残らなきゃいいけど」


『あぁ、大丈夫でしょ。きっと！…多分？』







そういえばありましたね、そこに傷。

おでこにある赤く擦りむいたあとをカルマは親指で優しくなでながら言った。






「俺さ、颯希が寝てる間ずっとあん時のこと思い出しちゃってさ。腸煮えくり返るような気分になってたよ。今もだけどね」


『鷹岡のこと？』


「あいつも勿論だけど、それよりも何も出来なかった自分にさ。……あそこまで手出し出来ないなんてね」


『え、でもそれはさカルマがそんな風に思うことないでしょ？あん時は他にどうしようもなかったしさ。下手に手出ししてたらなにされてたかわかんないし』


「……ま、終わったことを言ってても仕方ないんだけどね。今度機会があればその時は俺がお礼参りしてやるよ」


『機会がなくても実行しそうですね……』


「さー、行こっか」


『え、あー、……うん』







前原は置いていくか。
また掘り返して変なスイッチ入られても困るし。




私はカルマの後に続き歩いた。









ーーー…









『っゴール！！』


「あれー？颯希ってペアカルマくんとだっけ？」






外に出るとカエデが話しかけてきた。






『あー、いろいろありまして……』


「えー？なにがあったのー？」






カエデはニヤニヤしながら聞いてくる。






『残念ながらカエデが求めてるような展開はないからね』


「えー！！」






あなたはなんでそんなに不満そうなんですか。

そしてすぐに莉桜に報告するのやめなさい。

莉桜も不満そうな顔するのやめなさい。








何なんだお前らっ！！！

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