195時間目 ページ19
「寺坂君の言う通りです。颯希さん、その男を殺しても何の価値もないし、逆上しても不利になるだけ。そもそも彼に治療薬に関する知識などない。したにいた毒使いの男に聞きましょう。そんな男気絶で十分です」
『…………』
そうだ。
こんなところで……こんなクズに使ってる時間はない。
コイツを殺したら私もコイツと同レベルになっちゃう。
私の手を汚すのがもったいないよね。
「おいおい、余計な水さすんじゃねえ。本気で殺しにこさせなきゃ意味ねぇんだ。このチビの本気の殺意を屈辱的に返り討ちにして……はじめておれの恥は消し去られる」
気持ちの悪い顔で話す鷹岡。
人の話に入ってくんな
「颯希さん」
『……』
「寺坂君のスタンガンを拾いなさい。その男の命と、先生の命…その男の言葉と寺坂君の言葉。それぞれどちらに価値があるのか考えるんです」
殺せんせーの言葉。
ほんとにこの先生は普通の先生と違うな……
「寺坂っ!!」
『っ…』
大きな声に視線をそらせば倒れた寺坂。
「お前これ熱やべえぞ!」
「こんな状態で来てたのかよ!」
「うるせぇ……見るならあっちだ」
弱々しい手で私の方を指差す寺坂
「やれ颯希。死なねぇ範囲でぶっ殺せ」
『…………』
受取ったよ。先生の言葉。寺坂の言葉…。
私は寺坂の投げたスタンガンを拾い、ひとまず腰にさす。
「ナイフ使う気満々だな…安心したぜ。スタンガンはお友達に義理立てして拾ってやったってことか」
『…………』
「一応言っとくが、薬はここに3回分ほど予備がある。颯希ちゃんが本気で殺しに来なかったり、下の奴ら俺の邪魔をしようものならこいつも破壊する。作るのに一ヶ月はかかるそうだ……人数分には足りないが、最後の希望だぜ?」
どうやって仕掛けようか……
一応私は奥の手も、ロヴロ先生から学んだ必殺技もある。
私は体力も戦闘力もはっき言って皆無。
あるのは握力のみ。
出来るだけ早く終わらせることにかかってんな…
『っ……』
私は鷹岡に近づいた。
次の瞬間鷹岡は素早くこちらへ来、私のお腹へ蹴りを入れた。
『かはっ……あぐっ!!!』
私は後ろへぶっ飛び地面に叩きつけられる。
『がはっ……ごほ……』
お腹を蹴られ息がうまくできない。
咳き込む私に近づく鷹岡。
「おら、どうした……殺すんじゃなかったのか」
『ゲホッ…ゲホ……は…』
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さつきち(プロフ) - Momoさん» コメントありがとうございます!すみません…ただ今そういうリクエストは受け付けてないんです…お声ありがとうございます (2016年2月13日 22時) (レス) id: d2d2ad747b (このIDを非表示/違反報告)
Momo(プロフ) - コメント失礼します すっごく絵が上手で… あの無理だとは思いますが夢イラのリクエストって出来ませんか…? 本当にすいません!! ホントにラクガキ程度で良いので… (2016年2月13日 19時) (レス) id: 0838735854 (このIDを非表示/違反報告)
春鞠@しらす(。∀ °)食す(プロフ) - さつきちさん» うおお、そのコメントしたこと忘れてましたww(( 有難う御座います!!では次コメントする時タメで!! (2015年11月11日 22時) (レス) id: 686b2eb0fc (このIDを非表示/違反報告)
やなやな - 小説すごくおもしろいです!これからも頑張ってください☆ (2015年11月1日 19時) (レス) id: f74e62f274 (このIDを非表示/違反報告)
狐里雪乃 - さつきちさん» 拝見しました……!!もう上手すぎて今から山登って叫び出したい位です!!!イラスト集とかやったら絶対人気でますよ………!!! (2015年10月30日 8時) (レス) id: 2b2f281e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さつきち | 作成日時:2015年9月29日 8時