〜愛について〜２【ヴィクトル】

EP58 ページ18

そうして、私はユリオ君に少女時代のことを全て話した。

ユ｢…そっか、だから、ちゃんと育ててあげられるかってより、愛してあげられるか不安なわけか。｣

｢うん…｣

ユ｢でもさ、今のAは愛を知らないってわけじゃないだろ？｣

｢そんなことないよ、子どもにどう接すればいいかわか…｣

ユ｢じいちゃんがさ、言ってたんだ、じいちゃん若い時子ども苦手だったらしいんだけどさ、なーんか、自分に子どもが出来たときは、嫌いだったはずなのに、この世で一番愛おしいもんに感じたんだって、自分の子どもってそんな感じなんだろうな。だからさ、A、大丈夫だって。｣

私は黙ってしまった。

ユ｢俺もまだ15だからよく分かんねぇけどよぉ…
Aなら大丈夫な気がする。
だから、産めよ。
産まれたら、俺も可愛がってやるから。｣


たしかに、ユリオ君の方が歳ちかいし、いいお友達になりそう(笑)

ユリオ君のおかげでだいぶ楽になった。


｢ユリオ君…ありがとう。｣


私は決心がついた。


もう、絶対弱気にならない。


絶対この子を産んで、可愛がってあげる。


｢絶対、可愛がってあげてね？｣

ユ｢おー、もちろんだっつーの。｣


ユリオ君がお腹を撫でてくれる。

ユ｢可愛がってやるから、安心して出てこいよ。｣

｢まだ、そんなに大きくないよ(笑)｣

ユ｢ま、そうだな(笑)やっべー、俺自分の子じゃねーけどすっごく楽しみだ！！｣


名前とかどうする？って凄くワクワクしてるのが伝わる。


こう見ると、ユリオ君も結構まだ子どもなんだなって思う。




?｢やっと、見つけた、こんなとこで、なにやってるのかな？｣







びっくりして振り向くと、


｢…ヴィクトル。｣






笑顔だけど目が笑ってないヴィクトルが立っていた。

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