だからそうやって笑わないでくれ【Free!】 (ページ6)

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もどかしい。ページ6

橘side

鈍い子だ、って言うのは昔からわかってた。

異性から好かれそうなルックスをしていながら決して時惚れたりなんかしないし、凛の想いも多分気付いてない。

凛はAちゃんが好きなんだろうな、と言うのはなんとなくわかった。

Aちゃんは、

凛に会えなくなってからもしばらく俺達と遊んでいたけど、たまに寂しそうな顔をする。

凛に会いたい、って思うのは無意識なんだろう。

寂しい、とか切ない気持ちを抑え込んだのかな、と思う。

「また溺れるのかとひやひやしたよ」

『ごめんなさい』

にこっ、と笑いながら謝られる。

前も同じような事があった。

水に入ったらすぐ泳ぎ出して、呼吸が出来なくなるまで泳いで泳いで泳いで。

そして、溺れる所で間一髪助けられた。

『で！大会のお話し途中じゃなかったっけ！』

「あぁ、うんそう。リレーの事なんだけど…」

ハルが顔を背ける。

まあ、今決めなくてもいいかな、と思いそう口に出す。

「練習の様子を見つつ考えるってこと「大変です！凄いの見つけちゃいました！」」

『何！？』

目を輝かせながら飛び付くA。

速く凛に会わせてあげたいな、とか思いながら俺も視線を向けた。