水の中。 ページ5
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周りは青で染まっている。
上はキラキラ白い光がが差し込んでいて、
下は真っ暗。
どんどん光から遠のいて行く。
私は一人、取り残されて行く__
「……は……！花咲さ………！！」
『……』
「花咲さん！」
『うおわっ』
「何ぼーっとしてるんですか」
『ふへへ、ごめんなさい』
笑いながら片手で意思表示をする。
怜君が呆れてふう、と溜息を吐いているのを横目で見た後、プールに視線を移す。
『………』
「…A……お前、また」
ハッとしてハルちゃんを見れば笑顔で答える。
『そんなことないよ、』
マコちゃんハルちゃんが揃って難しそうな顔をする。
目が痛い、不整脈になる。手を伸ばす、ほら、もうこんなに水が近い__
ぱしゃんっ
「Aちゃん！？」
「Aッ！」
水が、ほら水がこんなに近い。
光が遠くなって行く、冷たくて、寒い。
「…まるで……水…」
急いでプールに入るハルちゃん。
待って、もう少しだけ。と今度はクロールを泳ぐ。
息をするのがもったいない、もう臓器なんて、体なんていらない……！
「A！」
『ふはっ！…はぁっ、はぁっ……はあっ、げほっ、ごほっ』
「………A、お前は人間だ。酸素を吸わないと死ぬ。水の中だけでは生きられないんだ」
『はぁっ、はぁっ、はっ、はぁあっ……うん、わかってるよ』
「…花咲さん速いんですね！」
「こんなに泳げたの！？知らなかった！ハルちゃんと張り合えるんじゃないかな！！」
『ふへへ、ありがとう』
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作者名：漣 | 作成日時：2018年9月9日 17時
