だからそうやって笑わないでくれ【Free!】 (ページ15)

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Twinkle twinkle little star ページ15

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荒れた天気だった。

夜に海に行った時、Aが足を滑らせて落ちた。

Aはその時、泳げなくて溺れた。それを助けようとした父親が海に潜ってAを助けたんだ。

だけど、波に飲まれて父親は溺れた。

遺体は溺れてなくなって、その次の日、俺とAとで外に出ることにした。

夜空を見上げて、Aは涙を流すことも無くただ一つ、言った。

『…私の友達も、前溺れて死んじゃったんだ』

空虚を纏ったように、人形のように呟いているのを、ただ聞くしかできなかった。

『……私のせいだ。滑って落ちて、で…』

「……」

『なんで私、生きてるのかなぁ』

笑いながら上を見ていた。俺より背の高かったAが、とても小さな存在に思えたんだ。

こんなA、初めて見た。

「Aのことが大事だったからだよ」

これしか言えなかった。

きらきら光ってて、遠い星。手を伸ばした所で手が届くわけでもない。

でも、確かにAの涙には星が映っていた。

『私、凛お兄ちゃんのこと絶対守るから。守るから……』

涙でぐちゃぐちゃになる顔。

紫色の目が潤んでいる。

『守るから、手の届く所にいて。私を一人にしないで……！』

「……わかったよ」

一人ぼっちの寂しさは俺もよくわかるから。

一緒にいよう、と笑いあえたんだ。