夜空 ページ14
『…連絡したくなかった………？』
「……」
『何も知らないのにいなくなっちゃって、江ちゃんに聞いたら外国に行ってる、って。言ってて』
「悪りぃ」
『また、私を置いて行っちゃった。水が、私から凛お兄ちゃんを遠い所に連れてっちゃった…』
「ごめん、」
『…嫌われた、と思った』
「！それは違、」
必死に言い訳をする。
確かに彼奴に連絡しなかったのは事実だけど。
『…怖い、怖いから。凛お兄ちゃん、すぐ消えてっちゃいそうだから』
「…んな簡単には消えねぇ」
『……』
「お前の事は嫌いじゃねぇ。連絡しなくてわるかった。…あと、外国に行くのを言わなかったのは__
『嫌いじゃないの？』
「…あー、えーっと、そうだけど…」
恥ずかしそうに首をかけば花が咲いたように笑う彼女。
『よかった…嫌われてなかった…』
「…つーか、なんで嫌われたって思ったんだよ」
『置いて行くから』
「あー…」
『よかった、』
その笑顔は、お兄ちゃんに向けられたもの。
決して異性に向けられたものじゃない。
そんなの反則だ。
変わらない、変わってない。
「ほら、行くぞ」
『何処に？』
「送ってく」
『ありがとう』
ふわり、と笑うA。
その笑顔に何人魅力されてきたかわかったもんじゃない。
『…Twinkle twinkle little star, How I wonder what you are. Up above the world so high, Like a diamond in the sky. Twinkle twinkle little star, How I wonder what you are.』
「きらきら星」
『うん』
「お前小さい頃からずっと英語で歌うから、みんなびっくりしてたよな」
『なんか知ってた』
Twinkle twinkle little star→←暗い夜
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作者名：漣 | 作成日時：2018年9月9日 17時
