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それは、と言葉が詰まる。
確かにそれはおかしいと思った。
ロボロさんの情報によると、ターゲットの女はまず交渉することすら難しいという話だった。彼女と接触した者はほとんど彼女の手によって殺害されている。
しかし、彼女は無傷で俺たちの元に帰ってきた。
彼女が生きているということは、彼女が知り得る全ての知識をターゲットに渡してしまったのかもしれない。しかし、彼女が生きていたという事実に安堵して、それでも良いと思ってしまっていた。
改めて彼女の話を聞けば、話したのは国に回復力が全くないということだけだった。たったそれだけで生き延びた_______というのは、なんとも不自然である。俺達に話してしまった引け目を感じている様子もなく、ただ申し訳無さそうに眉を下げている。
確かに不思議には思ったが、まさか彼女が____、
チーノは彼女を疑いすぎている。しかし、自分も彼女にフィルターがかかっている為、補正があるのかもと顔を顰めた。それでも俺は彼女を疑うことなんて出来なくて。
｢あの女はスパイなんや。お前もはよあの女を_____｣
｢っクソ！｣
｢はっ！？おい！！ショッピ！！！！！！！｣
俺はいても経ってもいられなくて、彼女同様に馬車から飛び降りた。
ある程度受け身はとったが、足にくる衝撃が大きく顔を歪める。
ズサっと砂埃が舞い上がり、摩擦で慣性力が緩まる。
俺はズキズキと足が痛む中、必死に足を動かして来た方向を戻った。
｢クッソ……どこや！｣
森の中を走っていた為、障害物が多い。
生えている気が多く、それ程小さくもない。
俺は足元を注視しながら森の中を探した。
すると、前方に横たわっている黒い物体を見つける。彼女だと確信した俺は、すぐにその物体に駆け寄った。
駆け寄ると、その物体はやはり彼女で、押さえている腕からは酷く出血していた。
｢Aさん！！？大丈夫ですか！！｣
｢……………、ショッピさん？｣
｢！そうっす。生きてますか｣
｢なんとか………、でももう死にそう｣
ぐったりとした様子の彼女は、本当に死んでしまいそうな程顔を青く染めている。
俺は彼女の体を抱いて、必死に横たわったままの彼女を抱きしめた。
抱きしめた彼女の体は、酷く冷たかった。
｢う……ぐるし｣
｢！…すいません。でも、Aさん、ほんとに｣
｢…………ごめんなさい、聞き出せなくて｣
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味噌かつ - Twitterフォローさせていただきました！いつも繰り返し見てます！神作だと思ってます！素晴らしい作品をありがとうございます！ (5月14日 20時) (
レス) @page46 id: ed221277ea (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 柊木さん» ありがとうございます..！！そうおっしゃって頂けて嬉しいです(TT)良かったです！もっと考察出来るような深い作品に出来れば良かったのですが、自分の技量ではそうもいかず、、今後もそうおっしゃって頂けるよう頑張ります！！ (2021年3月13日 9時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 白夜ちんさん» いや、彼らをそう仕立て上げた裏の支配者は私です・・・(？)是非そうしてやってください！！ (2021年3月13日 9時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
柊木(プロフ) - すごく考察に入りたいレベルで好きです…。勝手にスパイの目星をつけて楽しんでます！ 本当に面白くて好きです！ (2021年3月12日 0時) (レス) id: 98823b925f (このIDを非表示/違反報告)
私猫(プロフ) - 夢主ちゃん？！？！ (2021年3月11日 14時) (レス) id: a5b5a226ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年3月3日 11時
