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ふと頭上からそんな声が聞こえる。
その声は随分と不機嫌で、聞き覚えのある声だった。
ゆっくりとした動作で床に手をつき、ゆったりと立ち上がる。
床には2人の男が無惨に倒れていた。その男のそばには見覚えのある男が立っていた。彼は不機嫌そうな表情を浮かべて、こちらを見つめている。
｢てかお前………やっぱり｣
｢Aさん！｣
何かを言おうとした彼の言葉を遮り、何者かが走ってくる音が聞こえる。
彼は息を切らしながらこちらまで走ってきて、珍しく焦った表情を浮かべていた。
｢っ…、良かった、無事やったんすね。ロボロさんから通信途切れたって聞いて｣
｢インカム壊されちゃって……、｣
｢おいチーノ、ちゃんと見張っとけや｣
｢…………ごめん｣
彼は納得のいかない様子で謝った。
ショッピは切羽詰まった様子で出口を指さし、早くここを出るよう指示をする。
オスマンさん達は、とちらりとパーティー会場の入り口を見やるが、ふと誰かに手を掴まれた。
｢あの人たちなら大丈夫です。先俺らで逃げましょう｣
｢！わかりました｣
｢………｣
.
｢作戦は失敗です。私は…、どこまで喋っていいか分からなくて。カメラもインカムも壊されてしまいましたし｣
｢………いや、Aさんが生きてるだけ良かったですよ｣
ガタガタと車内が揺れている。
私は2度目の馬車に乗車していた。
目の前には寡黙を貫くチーノと、無表情ながらも私の身を案じてくれるショッピが座っている。
結果としては大損害とはいかないが、回復力が全くないという情報を与えてしまった。それを帰って報告出来るだけマシだが、こちらはなんの情報も得られていないのに合わせる顔がない。
｢………よう生きてんな。あの女、慈悲がないって有名やけど｣
｢まあ、最初っから交渉成立の可能性は低いやろなって思ってましたけどねぇ。｣
あの場面で、私はなんら殺されてもおかしくなかった。だというのに、あの女性は私の顔がタイプだからといって私を見逃した。何か裏があるに違いないが、一体どういう意図で私を生かしたのだろう。
そんなことを考えていると、ふとぐるぐる眼鏡の彼が口を開く。
｢やっぱ信用出来ひん。ここで死ね｣
私は一瞬、その言葉が理解出来なかった。
その途端彼が馬車の扉を開け、私の腕を掴み、私の体を外に押し飛ばした。
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味噌かつ - Twitterフォローさせていただきました！いつも繰り返し見てます！神作だと思ってます！素晴らしい作品をありがとうございます！ (2023年5月14日 20時) (
レス) @page46 id: ed221277ea (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 柊木さん» ありがとうございます..！！そうおっしゃって頂けて嬉しいです(TT)良かったです！もっと考察出来るような深い作品に出来れば良かったのですが、自分の技量ではそうもいかず、、今後もそうおっしゃって頂けるよう頑張ります！！ (2021年3月13日 9時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - 白夜ちんさん» いや、彼らをそう仕立て上げた裏の支配者は私です・・・(？)是非そうしてやってください！！ (2021年3月13日 9時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
柊木(プロフ) - すごく考察に入りたいレベルで好きです…。勝手にスパイの目星をつけて楽しんでます！ 本当に面白くて好きです！ (2021年3月12日 0時) (レス) id: 98823b925f (このIDを非表示/違反報告)
私猫(プロフ) - 夢主ちゃん？！？！ (2021年3月11日 14時) (レス) id: a5b5a226ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年3月3日 11時
