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彼はオスマンから銃口を下げたところで隙が出来ていたが、咄嗟に構え直して彼女に向かって引き金をひいた。
彼女もまた銃弾が命中したが、彼女が彼に放った銃弾は頭のど真ん中を射ている。
彼は、頭から銃弾のぽっかり空いた穴から血を流しながら力なく床に倒れた。
｢アンネス…！｣
｢コネシマさんっ！！！！｣
私は撃たれたアンネスも確かに心配だったが、ボツリヌス菌に侵されてしまった彼の方が心配だった。
すぐ様に解毒剤を取り出し、腕に注射器を刺す。
彼は眉間に皺を寄せ、息苦しそうな表情をしていた。
ボツリヌス菌は即効性である。もう彼の息は無くてもおかしくないが、私は淡い期待を抱きながら彼の脈を確認した。
｢……あれ？｣
脈が、ある。
口元に自分の指先を持っていくと、微かに息があった。
普通、ボツリヌストキシンは即効性の毒素で体内に入った途端に中毒を起こす。
正直、彼が今生きている現状がありえない。
私は困惑しながら、2本目の解毒剤を彼に投入した。
｢シッマ、死んでもうた？｣
｢…………わかった｣
｢なにが？｣
｢これ、ボツリヌストキシンじゃないんだ｣
ボツリヌストキシンは摂取後、消化器症状に続いてめまい頭痛を起こし自律神経障害や四肢麻痺に至る。
つまり、彼のようにこんなに冷静でいられない。
死に際まで苦しむのがセオリーなので、恐らく彼に打たれたのはボツリヌストキシンではないのだろう。
彼に打たれた薬がダミーだと分かり、私は酷く安心して深いため息をついた。
｢じゃあシッマ死んでないんか｣
｢恐らく。息はありますし、解毒剤も投入しましたから……、まあ暫く様子見ですが｣
｢はぁ〜……、良かった｣
｢アンネス！！｣
私は安心してコネシマの傍に座り込んだが、オスマンの荒らげた叫び声が聞こえる。
彼女の腹部からは大量の血が出ていて、床に血溜まりを作っていた。
私はすぐ様立ち上がり、彼女の元に駆け寄る。
｢Aちゃん……お願いや、助けてくれ…｣
｢アンネスさん……｣
傷口を見ると、急所は外れていた。今すぐにでもそれなりの処置を施せば、なんとか助かるだろう。
しかし、私は医者ではない。
それに、持ってきた
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あまね(プロフ) - 完結！おめでとうでふ！ (10月29日 11時) (
レス) @page27 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
パリラ - 凄いですね、、、もう本当に好き過ぎて一日で読み切りました！ (8月30日 10時) (レス) @page27 id: 326cf2b718 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖 - これめっちゃ前に見てそれからずっと探してたんですけどやっと見つけて徹夜で読みました、、！！スリルがあって何より菊さんが好きすぎて！！最高でした！！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年5月4日 4時) (レス) @page27 id: 1132857e69 (このIDを非表示/違反報告)
輝月(プロフ) - 久しぶりに占ツクに戻ってきたら好みの作品見つけて一気に読んでしまいました！これは今後がとっても気になります！素敵な小説をありがとうございます！ (2021年7月22日 21時) (レス) id: 4cc550c3ab (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - みちゃくちゃ好きな作品！！！！完結？おめでとうございます！！オチ…みたいけどTwitterやってねぇ…！！ｸｿｩ…他の作品でも頑張って下さい… (2021年6月25日 22時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年3月23日 9時
