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彼は少し不機嫌な様子で声のトーンを下げる。
俺はそんな彼ににやりと口角をあげて、見下すようにして彼を見下ろした。
｢確か、総統さんはAとかいう研究員に固執してたな｣
｢ああ。彼女は素晴らしい人材だゾ｣
｢何故ここに連れてきた？俺達も彼女を狙ってたのに｣
｢強いて言えば自慢しにきた。あいつは俺らの仲間やぞってな｣
｢浅はかだな。わざわざ自分から奪われにくるとは、随分と自分達の力を過信してるらしい｣
確かに、このままではAをわざわざ差し出しに来た馬鹿な国家だ。
しかし、これにはちゃんと作戦がある。
俺がこの最深部に到達するまでの間、彼らはAを軽視しすぎていることが分かった。正直言ってAは、どの国家からも喉から手が出る程欲しい存在だ。だが、彼らは全力でAを奪いに来ていない。そこが彼らの落ち度であり、俺の推測ミスだ。
もしかするとAに危険が及んでいるかもしれない、と少し焦りを感じた。
｢アラ。先客かしら？｣
カチャ、と後頭部に銃口を当てられた感触がした。
目の前の男はにやりと口角をあげたまま、余裕げに足を組み直している。
俺は小さくため息をついて、ゆっくりと両手をあげた。
｢Aちゃん連れてきたわよ｣
｢ああ、……軟弱そうな女だな｣
｢可愛いのよこの子。まあ、パーティーの時の方が好みだけど｣
｢お前の趣味は未だによく分からん｣
俺に銃口を向けたのは、武器庫と呼ばれるドーラという女だろうとは推測していた。
しかし、彼女が拳銃を下ろし俺を横切ったところで、小脇に抱えられているAを視認する。
俺は思わず驚いて、彼女の存在に動揺が隠せなかった。
おいおい！どうしたよAの護衛(ショッピ)はよ！何やってるんだYO！
Aがこの場にいる時点でプランAは実行不可能になった訳だが、まだ絶望的な状況ではない。
最悪なのは、仲間の誰かが既に打破されていることだ。彼らの余裕の表情を見ればそんなような気もしてきて、少なからず俺は焦りを覚えた。
｢よっと。で、何用ですって？｣
｢教えてくれないんだ。彼、頑固だから｣
｢わざわざ殺されに来るなんてバカね｣
彼女はAを隅の方の床に寝かせ、さらりと髪を撫でた。髪の触り心地が良いのか、生え際から耳あたりの髪まで何度も手を移動させていた。
Aは気絶しているようで、寝かされても尚起きる様子はない。
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あまね(プロフ) - 完結！おめでとうでふ！ (10月29日 11時) (
レス) @page27 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
パリラ - 凄いですね、、、もう本当に好き過ぎて一日で読み切りました！ (8月30日 10時) (レス) @page27 id: 326cf2b718 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖 - これめっちゃ前に見てそれからずっと探してたんですけどやっと見つけて徹夜で読みました、、！！スリルがあって何より菊さんが好きすぎて！！最高でした！！素敵な作品をありがとうございます！ (2022年5月4日 4時) (レス) @page27 id: 1132857e69 (このIDを非表示/違反報告)
輝月(プロフ) - 久しぶりに占ツクに戻ってきたら好みの作品見つけて一気に読んでしまいました！これは今後がとっても気になります！素敵な小説をありがとうございます！ (2021年7月22日 21時) (レス) id: 4cc550c3ab (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - みちゃくちゃ好きな作品！！！！完結？おめでとうございます！！オチ…みたいけどTwitterやってねぇ…！！ｸｿｩ…他の作品でも頑張って下さい… (2021年6月25日 22時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年3月23日 9時
