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空になったティーカップを眺めながら、彼の話を聞く。
彼は点滴も輸血パックも無い中、治療を続けてきたらしい。O国時代では考えられない程原始的というか、時代が違うというか。
麻酔すら使っていないとなると、患者側が可哀想に思えてくる。
｢そういえば、コネシマさんを治療したのは貴女でしたよね。かつては医者だったとか？｣
｢いえ全く。しかし、あの場では輸血の勝手を分かっているのは私だけでしたので、恐れながら私が適任だと判断しました｣
｢うん、確かに俺に説明されても意味不明やったやろうなぁ。焦ってたし｣
｢なるほど。しかし、科学的には、他人の血をそのまま輸血しても本人の体に合うとは思えないんだけどな｣
｢多少の感染リスクはありますね。ですが血液型が同じであれば、大体は大丈夫です。絶対とは言えませんが｣
やはり知識を披露するのは苦ではない。
段々楽しくなってきて、彼らの質問にも饒舌に答えられるようになってきた。
そしてそんな議論が、あと3時間は続くのだった。
.
今日は一緒に食堂に行くダチュラさんが不在である。
久しぶりの1人ご飯に少し懐かしさを思い出していると、食堂に足を踏み込んだ途端首元に腕を回された。
｢よ！！！A、今日1人なん？｣
｢ウワ！！！！、ゾム、さん｣
｢一緒に飯食おうぜ。最近喋ってなかったやん｣
彼は私の手を取って、ズンズン給食スペースに進んだ。
今日の定食はカレーかぁ、と私がご飯をついでいると、彼は私の3倍、いや4倍ほどついでから溢れんばかりのカレーをかける。
そんな彼にぎょっとして思わずしゃもじを落としそうになった。
いくらなんでも多すぎないか？どんな大食いでもそこまでは腹に入らんだろうと少し引いたのだが、周りはなにも反応していなかったので、これが彼の普通なのかもしれない。
｢え、お前そんだけしか食わんの？せめてエビ食えやエビ｣
｢ちょ、ちょっと！！！カレーにえび天ぷらはキツいですって！！！｣
｢…お前、ほんまにどうやって筋肉つけてんねん？｣
は？と言い返しそうになったが、そういえば私は彼を倒した強い人間、という設定なんだった。
今すぐにでもその天ぷらを返したいところだが、変に刺激しては不審がられるので止めておいた。
｢……こんなの余裕です｣
｢お！せやんな！それでこそやて〜、食わし甲斐があるわぁ｣
食わし甲斐とは？
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叶子(プロフ) - アキさん» そうおっしゃって頂けてとても嬉しいです！ありがとうございます！！頑張ります！！！ (2021年3月2日 19時) (
レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - この作品のknｼﾏさんが好きすぎて更新が本当に楽しみです！とっても面白いです、応援してしています！ (2021年3月1日 19時) (レス) id: 41a4293417 (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 方舟さん» いえ私は全く何の関係も知識もないド素人でございます(^^ は！看護学生の方でしたか・・！実際学ばれている方からすれば不自然な点が多々あると思います； なるほど！それは是非お聞きしたいですね。近々お迎えにあがりますのでどうかその際はよろしくお願い致します。 (2021年2月24日 1時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
ReiHeta(プロフ) - 叶子さん» のんびり、気ままに更新まちまこ (2021年2月23日 21時) (レス) id: bd92c2b39c (このIDを非表示/違反報告)
方舟(プロフ) - 続編前から読ませてもらっています。わざわざ薬の成分や、効き方を調べるだなんて…もしや本職だったりします？元（ここ重要）看護学生なのですが、時代相応かはさておき、あるある話等提供はできますので、必要があればお声がけ下さい。 (2021年2月23日 19時) (レス) id: 894a36e101 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年2月23日 16時
