残機4 ページ5
遠くで何かを落としたような音がした。
ずしりと体が重くなると同時に、心臓から血が送り出されているのを明確に感じ取った。
規則的な心音に段々と意識を取り戻していくと、ドンという耳を劈くような音の後に地面が恐ろしく縦に揺れる。地震だと判断した脳が体に危機を警告して、バチリと目を開けて体を起こした。
｢………ちょっと待ってよ｣
なんか見たことある光景だな。
起き上がって視界の左端に刻まれている数字に目を移す。
記憶の限りでは確か 5であった数字が、4に切り替わっている。
5から4に切り替わったタイミングから考えて、先程の私の死が関係しているのだろう。
そして意識を手放した直後、暗闇に突き落とされた私の脳内に白い文字でヒントなるものを刻まれた。
これはゲームだぞ。現実世界じゃない。
まるでそう示唆するかのように視界から消えない4の数字と、鮮明に思い出される頭上のハートマークが現実とはかけ離れたそれを示している。
そしてそのヒントの後に刻まれたのは、
残機が0になると、現実世界で死亡します
という恐ろしい注意書きだった。
.
このままの状態で呆然と周りを見渡し、恐る恐る扉を開けていたら前回と同じような結末に至る、ということだろう。
私はすぐ様その場を立ち上がり、前回死体を避けた場所を足場にしていたが、そんなことを気にしている暇はないので死体を躊躇なく踏みつけて扉を開けた。
弓矢で殺されるなんてたまったもんじゃない。痛すぎる。もう勘弁して欲しい。
今回のヒントは｢コネシマと鬱に見つからないように立ち回れ｣。
それが誰だか知らないし聞いたこともないが、最後に見た私を殺した2人の男性のことを示しているのだと思う。
彼らに見つかる前にここを出ないと話にならないと思い、店から飛び出て必死に足を動かせた。
｢ッはぁ、はあっ、はっ、しぬ、｣
どこに逃げたらいいかも分からない為、明らかに敵の少ない方向に走っている途中、背後からパァン！と矢を放たれ同時に銃弾が頬を掠める。
｢おい逃がさんぞ。全員皆殺しや！｣
振り向くと弓を構える見覚えのある金髪が見える。そして、スカイブルーの瞳が私を完璧に捉えていた。
______やばい
きらりと光った矢が、私目掛けて一直線に飛んでくる。一気に大ピンチに追いやられてしまって、またあの矢に射抜かれて死ぬのかと頭が痛くなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 623人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - かんけつ？！ (10月29日 12時) (
レス) @page21 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
かす(プロフ) - かこつです！！！めっちゃ好みでコメントさせてもらいました！お身体に気をつけて、更新お待ちしておりますー！！ (8月19日 16時) (レス) id: b1482de086 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - この作品めっちゃ好きですぅぅ!!!!!!!!めっちゃ面白いですぅぅぅぅぅ!!!!もう最高です!神作者様ですね!!!! (2022年12月17日 18時) (レス) @page21 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - コメント失礼します！めちゃくちゃこの小説好きです！好みドストライクなんですよ！夢主ちゃん残機3かぁ。多分残機0でハッピーエンドになると思うんですが後3回死ぬとなるとどうやって殺されるのかめちゃくちゃ気になります！これからも無理せず更新頑張って下さい！ (2022年8月17日 22時) (レス) @page21 id: 77487c3926 (このIDを非表示/違反報告)
rimu@他力本願寺建設完了！ - コメント失礼します！もう残機が3なのでめっちゃハラハラして見てます！夢主ちゃんガバるなよ〜…。更新頑張ってください！応援してます！ (2022年8月15日 22時) (レス) @page16 id: 251d2d6b95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柚
| 作成日時：2022年7月31日 15時
