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コイツ、と指さしたのは、誰よりも手酷く殴られた痕のある兵士だった。
というか、この国の人達は怪我をしたことに気付けないのだろうか。
先程の彼も腕の怪我に気付いていなかったし、彼は床に血が垂れているのにも関わらず気付かないなんて。
彼に近寄り、手首の患部ではないところを掴む。
彼は少し身構えたが、シャベルを私の後ろに構えたまま大人しくしてくれていた。
白衣のポケットからハンカチを取り出して、流れている血を裏側で拭い、表面を患部に押し付ける。
そしてヘアゴムを手に通し、程よい強さでハンカチを縛った。
｢……手当してくれたん？｣
｢流石にあのままだと、危ないので｣
｢噂にきくお人好しっぷりやな。俺やなかったら殺されとるで｣
｢殺さないんですか？｣
｢……まあ、命令やしな｣
そうしている間に、廊下から大きく高い声の笑い声が聞こえてくる。
ずるずると何かを引きずる音も一緒に聞こえて、一体なんだと不気味に思う。
彼はハァ、とため息をついて腕を後ろに回した。
｢うっさ……、シッマやな｣
｢すまんすまん！遅なったわぁ！！｣
｢おっっそいわ。何分遅刻しとんねんお前は｣
ずるずると引きずってきた人間は、普段私達に文句を言ってくる最高司令官だった。
ボコボコに殴られた痕があり、足もありえない方向に曲がっている。
ひ、と小さく悲鳴をあげれば、爽やかな印象を受ける笑顔からは一変して冷ややかな目で私を見据えた。
｢こいつか。トントン誑かした女｣
｢まーたそんなこと言ってシッマさん怒られますよぉ？｣
｢ここで殺したら駄目なん？｣
｢待てや。殺せ言われてないやろが｣
｢せやでシッマァ、せめて国に持ち帰らんと｣
彼は司令官の襟元を掴んでいたが、パッと荒々しく手を離す。
司令官は床に顔面から落ち、悲痛の声をあげる。
本当に、彼は先程の笑い声からは想像出来ない程冷徹な表情を浮かべて虫の居所が悪そうにしている。
誑かした、なんて聞こえが悪すぎる。匿っただけだというのに。
｢なあおっさん。そろそろ本題いーい？｣
｢ぐっ……、くそっ、目的はなんなんだ！！｣
｢俺らの目的は、O国の薬品全て奪取することや。それか同盟結んで薬品の無償提供｣
｢っ…、薬品…だと？それになんの意味があるんだ！薬なんて何処にでもあるだろ！！？｣
｢価値が段違いやからな。で、どうすんねん。それ以外の選択肢は用意してへんけど｣
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宇琉夜ハル(プロフ) - 後 side ほしいです (2021年4月30日 19時) (
レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - 後名前がわかったら zm｢あ｣ 見たいなん欲しいです (2021年4月30日 19時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
宇琉夜ハル(プロフ) - 出来れば夢主のセリフ『』こうしてください 時間があればでいいんで (2021年4月30日 18時) (レス) id: c64b9591b6 (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 晴さん» それは良かったです！！ありがとうございます！めちゃくちゃ遅れましたが見てますよ！！！頑張ります！！！ (2021年2月21日 20時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
叶子(プロフ) - 通りすがりの亀さん» 最初はその予定でしたが、主人公が後悔することのないようにヘイトを向けさせて上層部をクズに仕立てあげました(^^ ありがとうございます！頑張ります！！！ (2021年2月20日 21時) (レス) id: 9eb6eeed7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚
| 作成日時：2021年1月31日 9時
