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中也さんは私の言うことを真剣な表情で聞いていた
『…それがどうかしたんですか?』
「…いや 只 手前がどんな奴か聞きたかっただけだ」
『私が?』
「あァ、まァ何となく想像はついてたけどな」
ニヤリとした意地悪気な笑みを浮かべ私の頭を撫でる
いきなりのことだったので思わず顔が赤らむ
「ン?どうした?」
『なっ…何でもないです』
「そうかよ、飯食わねェと冷めんぞ」
『いきなりこんな話振ってくる中也さんのせいじゃないですか…』
「悪ィって」
笑いながら言う中也さんに頬の火照りは収まらないまま残りのご飯を口に運んだ
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私がご飯を食べ終えた後中也さんの持っている携帯電話が鳴った
『どうぞ』
「悪ィな」
中也さんは一旦店の外へ出た
私は少し悪いとは思いながらも電話の内容が気になったので扉の方に近付く
「…もしもし」
「あ?今から?」
「手前らの方でどうにかなんねェのかよ」
「………チッ わーったよ、すぐ行くから手前らくたばんじゃねェぞ」
え くたばるってどういう…
戸惑いを隠せない表情をしたのも束の間、中也さんは電話を切り扉を開けた
「…ホント悪ィ、急な用が出来ちまったから帰るな」
『え…あの…』
「ン?」
”斃る”
とはどういう事なのか
中也さんは一体なんの職業をしているのか
気になって気になって聞きたいのに
『…いえ 何でもないです。ごめんなさい』
聞いちゃいけない様な気がして結局聞けない
「そうか、悪ィな」
また来る そう言って中也さんは早足で店を出て行った
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作者名:EYE | 作成日時:2018年1月13日 4時