迷い恋。 (ページ3)

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「A？どーしたん？」

廉に抱きついたまま、離れないので廉が心配そうに聞いてきた。

「ん、なんでもなか…」

「なんもないっていう顔じゃないで？」

茶色くて優しい瞳に胸が苦しくなる。

「ほんて、なんもなかとー
なんか、廉にぎゅーってしたくなっただけ。」

そう言うと、廉は少し笑って、よしよしと頭をなでてくれた。

そんなことせんでよ。泣きそうになるやん。

必死に涙をこらえる。

「なぁ、廉！！明日、海行きたいっ！！」

「いいで、行こか。」

「顕嵐と夏美も呼んで、4人で行こー」

顕嵐と夏美も幼なじみで、よく4人でつるんでる。

少しでもみんなと一緒にいたい。

家に帰ると、お父さんが「ごめんな」と申し訳なさそうに謝る。

そんなことされたら、許すことしかできないよ…だって、お父さんは悪くないんだもん。

仕方ない、これも運命だよね。

.

次の日

「海だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！」

久しぶりの海にテンションが上がる。

「早く、海のところ行こ！！！
みーんーなー！！はやーく！！」

悠々と歩いてくる３人は、すごく大人に見えた。

なんか、私だけ子供みたいでちょっと恥ずかしい。

海のところまで走ろうとしたとき、後ろから腕をガシッと掴まれる。

「A…はしゃぎすぎたらあかんで？
ほどほどにせなあかんよ？」

「分かってやすよ、廉様？」

あぁ、幸せな時間がずっと続けばいいのにな。