涙のオーケストラ。 (ページ16)

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side.A

篤「高校を卒業してからは、プロサッカー選手としての道を歩み始めた」

『プロサッカー選手なの？』

篤「うん」

さっきの可愛い姿からは想像もできない真剣な眼差し

篤「初めの4年は日本のチームでプレーしてたんだけど刺激がなくなって
もっと刺激が欲しくなってドイツに来た」

『そうだったんだ。ごめん、スポーツとかあんまり知らなくて』

篤「ううん。自分の自己紹介は自分でしたいから、変に先入観持たれてるの嫌だから」

淹れたコーヒーを渡して、私の隣に座った

それからは特に何も話さなかった

パソコンから流れる BGMを聴きながらコーヒーを飲んだ

時計の針が９時頃を指し、私は帰る支度を始めた

篤「今度、ホルン聴かせてほしい」

『うん。それまでに練習しておくね』

お互いありがとうと言い合って

私は階段を下った

『高校から4年間日本で、それから来たって私よりも年上じゃん....』

完全に下だと思ってて

初対面でタメだったし....

後悔しながら家に入った