検索窓
今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:28,677 hit

(5) ページ5

side:yuto


バカで単純でチョロいヤマは、俺の話を聞いてまた考えがコロッと変わったらしく、


『頑張って代わり探すわ!ありがとゆうてぃ!』


と、やたら気合いの入った様子で去って行った。


知「いい人ですねぇ、ゆうてぃは」
中「うぉ、知念。聞いてたの?」
知「うん」


ジュースのストローを咥えながら隣に座ってくる。

またバカにしてんだろ、俺のこと。


知「そういえばね」
中「ん?」
知「あそこに座ってる吉田さんが、ゆうてぃにこれ渡してって」


そう言う知念から渡されたのは、一通の手紙。

まさか、ラブレター?

大学生になって初だな、ラブレターは。


中「ありがと」
知「…こっち見てる」
中「え…」


知念の視線の先を辿ると、慌てて俺から視線を逸らして去って行く女の子。

髪はセミロングのゆる巻きでワンピースの、すごく可愛らしい、まさに男にモテそう!な感じの子だ。

初めて見たな。


知「かわいいね」
中「お、知念が珍しいね」
知「手紙渡すとかピュアすぎるよ。僕を使わなかったら100点だったね」
中「だね。でもこれもかわいいよ」


可愛らしい花柄の封筒に入っていたのは、まぁいわゆるラブレター。

と、一枚のチケット。


中「あの子、俺がこのバンド好きってなんで知ってるんだろう」
知「いっつもそのバンドのTシャツ着てるじゃん。あとよく歌ってるし」
中「あ、そっか!そういうこと」
知「なにそれ、ボケのつもり?」
中「ううん、無意識だよ」
知「ほんと、罪作りだね」


やれやれといった風に首を振りながら知念は出て行った。

ラブレターと一緒に入っていたのは、俺が好きなバンドのライブのチケット。

添えられているメモには。


『初めましてなのに急にごめんなさい。

中島くん、よくこのバンドのTシャツ着てるから、好きなのかなと思ってチケット取りました。

よかったら楽しんできてください。

要らなければ、誰かにあげるか、捨ててしまっても構いません。』


なんだ、これ…。

こんなの、初めてなんだけど。

(6)→←(4)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1178人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 匿名さん» 芸能人の方のお顔は犯罪に含まれませんよ。それを承知の上でのセキュリティーでSNSに局の方が投稿されてなさるので、サーバー警察に通報したところで、正当な行動はしてくれませんよ。 (2019年6月19日 21時) (レス) id: 8bdf184cc4 (このIDを非表示/違反報告)
たべっこ(プロフ) - 続編が読めるの嬉しいです!やまいの可愛くて癒やされます!続き楽しみにしてます。 (2019年6月8日 11時) (レス) id: 4035f86721 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - アイコン画像などに芸能人の画像を貼るのは犯罪になるので消してください。消さない場合はサーバー警察に通報します。 (2019年6月4日 12時) (レス) id: dc1593ce82 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:林檎 | 作成日時:2019年5月2日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。