一生の温もりをきみへ。4

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増田side




「てごし？ まだ吐きそう？」



ちょっとはやい呼吸を
繰り返しながら
うずくまってる手越に
優しく聞くと
ふるふると首を横に振る


だけど
顔色が悪い、…とても



今車に乗るのは厳しいかな





「ほら、お水だよ。
口ゆすいで
ちょっと飲めそうなら水分とって」





キャップを開けたペットボトルを
渡してくしゃっと髪を撫ぜる



受け取った手越を確認して
俺は一旦車に戻った









「ね、時間大丈夫そう？
あいつまだ休ませたいんだけど」



「時間は大丈夫です。
でも、現地で休んだほうが
やりやすいかと、」



確かにね、
着いてから休まないと
具合い悪いままロケは可哀想か




「そうだね、じゃあ
ちょっと頑張ってもらうか…」






手越のもとに行くと
さっきと同じ体制で
俯いてる



「てごし、時間はまだ大丈夫みたい
だけどあっちで休んだほうが
ロケしんどくないんじゃない？って」




潤んだ瞳がこっちを向いて

でも、吐いちゃうかも…

って小さく言った




「誰も怒らないよ。
ほら、おいで？」




立ち上がるのを手伝って
車に乗せてあげる



不安そうにしてた手越に
後ろから手が伸びてきた




「ゆう、これ汚しても大丈夫だから」





それはシゲが
用意してくれた袋とタオル




受け取って
膝にタオルを敷いて
袋を持たせれば

ちょっとは安心したみたいで

ありがとうって
ふにゃりと笑う





つられて笑ったシゲは
優しい顔をしてて

俺もいつも
こんな感じなのかなって
むず痒くなったのは内緒だけど

･→←これだから**車酔い

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