一生の温もりをきみへ。

おかえりが言いたくて *熱 ページ7

手越side




「ごめんね、
午後には帰ってくるから」



まっすーにぎゅって
してもらって
ちゃんと頷く




「おしごと、がんばって」



「ん、ありがとう
行ってきます
シゲ、あとはよろしくね」



「おう、行ってらっしゃい」






遠くでドアの閉まる音が聞こえて
我慢していた涙が
ぶわっとあふれる



シゲに笑われて
泣かないの、
なんて言われちゃった









昨日、雷が止んで
俺は熱を出した



泣きすぎただけ、って
思ってたのに
朝になっても
下がらなくって


心配したまっすーが
シゲをよんでくれたけど…



寂しくて泣いちゃうんだよ







「ごめんな、俺で」


シゲがぐしゃぐしゃと
頭をなでてくれて
そう言うから
ぶんぶん首を振る




「ちがうのっ、
シゲがやなんじゃなくって、
…っ、泣 ちがくてっ、」



「あーあーっ、ごめんごめん
意地悪言った、
ちゃんとわかってるから」




乱暴にティッシュで
涙を拭われて



まっすーなら
優しく拭いてくれるのに、
ってまた寂しくなる





「ちょっと寝たほうが
いいんじゃん？ベッドいく？」



「ここ、いるのっ、」



「…笑 わかったよ、
しんどくなったら
ベッドだからな」



「ん、」




まっすーのパーカーと
毛布であったかくして
ソファに座らせてもらって

テレビでサッカーをつけた



シゲも近くに座って
パソコンを開いたから
たぶん、小説をかくのかな、


忙しいのに、
俺なんかのために
来てくれたんだよね



甘やかされてるなぁ、って
ちょっぴり恥ずかしくて


ぶかぶかなパーカの袖を
ぎゅっと握った

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