一生の温もりをきみへ。

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増田side



車をとめて
後ろのドアを開けると
フードをかぶって
顔が見えなくなってる手越、



寝てるのか寝てないのか。








「てごー、ついたよー、」


「…ぅ、ん」




まだちょっと
ぽかぽかしてる体を
抱き上げて



無事に家にたどり着いた






・


・


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「てごし、
頭痛いとか喉痛いとかない？」




ベッドにおろして
問いかける


優しく優しく
背中をさすると

うっすら目をひらいた




「ゆーう、」




「…ぃたぃ、…」




「ん？いたい？」




我慢してたのか
瞬きをしたのと同時に
ぼろ、っと涙がこぼれる




「ぁたま、っ…」




「なに、我慢してたの？」



「っ、…だ、ってぇ」





本格的に
泣き出しちゃいそうになるから

ごめんね、って
頭を撫でる





本当、どうしようもないばかだよ






「薬飲んだらおさまるから」




ベッド脇に置いたペットボトルと
さっきもらった薬を用意して


手越をおきあがらせた





顔色がかなり悪い、





「飲める？」



「…のめる、」





話すのも頭に響くのか
ぎゅっと眉を寄せて



もっとはやくに
言えばまだ楽だったのに







薬と水を口に含んだのを見て
もう大丈夫だろうと思って
氷枕をとりに部屋を出ようとしたけど
それは間違いだった






「、おぇっ…ｯ」




「あー、」




手いっぱいに戻しちゃった手越の
前に袋を広げる



この部屋は良くも悪くも
そういう準備は万端なんだよね






「…っ、うぅ〜、泣」



「泣くな泣くな、大丈夫だから」




プチパニックになってる手越の
かわりに手を綺麗にしてやる



薬も出ちゃっただろうけど
もう一度飲む気にはなれないだろう




「きもちわるぃ、っ…泣」


「まだ吐いちゃいそう？」


「んっ、ｸﾞｽﾞｯ」



背中をとんとんたたくと
またおぇっと吐いた


インフルAのくせに
吐き気もあんのかよ


医療知識はないけど
Bがお腹にくるって
聞いたことがあったから
あれは迷信だな、なんて思う




手越が何をしたっていうんだよ、


なんで手越ばっかり
苦しまなきゃいけないんだよ、



俺は手越の笑った顔がみたい

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