こわくないよ。4

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増田視点


*




小山から手越が
いなくなった、って聞いた



もしかしたらすぐに
もどってくるかもしれないから
小山には病室にいてもらって
俺が近所を探す




人が多いところには
さすがに行かないはずなんだけど…




ダメ元で電話をかける





スマホは持ち歩けって
約束してあるから
たぶん持ってるはず、



ただ、出てくれるかは別だけど









「っ…まっす、」



出てくれたっ！







「ゆう、今どこ？」




「…病院「わかってるから、教えて」





「っ、どこか、わからないっ、泣
なんかっ、ろ、ろじう、ら」





涙まじりの声で
弱々しくそう言った手越、




とりあえず近くにあった
裏に続く道を通ると


案外あっさり見つかった




「ゆーう、」



「っ、ぐずっ、…たかぁ」




地べたに座って
小さくなってる手越を
包み込むように抱きしめる




「っ、け、ぇちゃ、が
俺に、や、…っ痩せたいの、って」




こうなる前から手越は
体重増やしたいっていってたのに


ましてや
病気になって、頑張って
治そうと必死な手越に
その言葉はきっついなぁ、




「小山もね、ゆうに意地悪しようと
そんなこと言ったわけじゃないんだよ」



「…ぐずっ、」




「でもその言葉で
お前が傷ついたことは確かだから
ちゃんと謝ってもらおうね」




立てるように体を支えると
首を横に振って
うるうるした目で見つめてきた




「立てな、い…泣」




「おんぶするから背中乗れる？」







じんわりと熱を持った
細いからだを乗せ




ゆっくりと歩き出す

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