こわくないよ。３

僕の優しい日 ページ29

手越視点


目が覚めて、

目眩を起こさないように
ゆっくり体を起き上がった


今日は仕事があるから
体温をはかる、


これはお医者さんとメンバーとの
約束だから絶対。



「さんじゅう、ごーてんろく。
エマ！ぱぱ元気だよ〜」



退院期間中は
お母さんに預かってもらってた
エマとまた一緒に
いられることになったから嬉しい



エマも嬉しいよね〜



熱がないならこれとこれとこれを
飲めば大丈夫かなぁ



たとえ元気でも、
普通の人の元気ではないから
薬は飲まなくちゃいけない、


もともとサプリはずっと
飲んでたから苦ではないけどね



もう少ししたら
けぇちゃんがくる


最近は仕事のときは
メンバーのだれかしらが
車に乗せてってくれるから


甘やかされてるなぁ、って。


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けぇちゃんとわいわい話しながら
楽屋に入ると

まっすーとシゲが
すでに楽屋にいて

まっすーにおいで、って
手で招かれて
素直に近づくと膝の上に座らされた



「まっすー？」


「ふふん、
小山に手越はあげないから」



嬉しそうに俺をぎゅって
抱きしめて
子供みたいなこと言うから
笑っちゃう



横から手が伸びてきて
俺の額をさわった


この手はシゲだ




「熱ないよ〜、
シゲちゃん心配性だぁ」



「うっせー馬鹿
元気だからって
はしゃぎすぎるなよ？」



離れていく手を
掴んで両手でにぎると
シゲはびっくりした顔で
こっちをみた


「ありがとね」



ちょっと恥ずかしくなって
俯くと
けぇちゃんとまっすーに
褒めテゴされて
もっともっと恥ずかしい





「あ、そうだ
このゼリーおいしいから
手越たべてよ」


けぇちゃんが紙袋から
ちょっと高そうなゼリーを出して
スプーンと一緒に俺に
渡してきた



確かにおいしそうだけど…



「俺だけ悪いよ、
食べれないかもしれないし」



「大丈夫、みんな分あるよ！」


まっすーとシゲにも渡して
けぇちゃんはにこにこ笑った




「ひとくち食べて無理だったら
食べてあげるから」



そこまで言われると
食べるしかないじゃん



まっすーは俺を膝にのせたまま
俺のゼリーのふたを
半分開けてちょこっと
スプーンですくった


「手越、あー」


言われるがまま口を開けて
ゼリーを食べる


おいしい、



「食べられそ？」


「うんっ！おいしい」



はい、ってスプーンを
渡されたから

首をふる



「あー」


「も〜っ、後ろから
食べさせるの大変なんだからね」





今日は俺の優しい日

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