こわくないよ。

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シゲ視点





「小山〜、ちょい来れる？」

スタジオのほうから
まっすーの声が聞こえる

やはりリーダーの小山も
話し合いに入るべきなのだろう




「ちょっと行ってくる、手越よろしく」

よろしくされても
動揺が隠しきれない

とりあえず
震える背中をさすってやった

どうして気づけなかったんだろう

コイツはこういうやつなのに




ポジティブで
強くて
負けず嫌いで

そのぶん
誰よりも
ネガティブで
弱くて
泣き虫で




ひとりで頑張ったって
仕方がないのに




「手越、大丈夫だから」

その一言を
きっかけに
手越は小さく嘔吐いた









小山視点

*

戻ると
嘔吐する手越と
その背中をさするシゲ
の姿があった

「あと5枚くらいらしいんだけど
やっぱり無理そうかなぁ」

「うん、
…病院行ったほうがいいんじゃね？」

しばらくして
頭をあげた手越の顔は
苦痛に歪んでいた

「手越、おいで」

覆い被さるように
抱きしめると弱々しく体重を預けてくる





「け、ぇちゃ…、嫌だ」

「うん、嫌だよね」

「…苦し、」

「うん、苦しいよね」

「…仕事、やりたい」

「うん、そうだよね」





久しぶりに抱きしめた体は
思った以上に華奢で

もともと小さい手越が
より、小さく見えた

いつからこんな
痩せてたっけ……

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