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目が覚めると
ベッドの上だった

身体中痛くて

ちっとも力が入らなくて

くだらなくて笑おうとしても
表情が上手くつくれなくて

ただ、ただ、
からっぽ

「おい、大丈夫か?」

「あなた死にかけたのよ、怪盗さん」

死にたかった

あのまま、死にたかった

だって、俺にはもう何もない

親父が、親父が、いない

「…死なせてくれればよかったのに」

ぼそりと出た言葉は、
小さくて、しゃがれていて、
醜かった

「おまっ、何言ってんだよッッ!!
ふざけんなっ、」

声を荒らげた名探偵であったが
俺の様子に唖然とした

「おい、どうしちまったんだよ。
お前らしくねーぞ、」

俺らしい?
何それ、

俺の何も知らないくせに、

俺らしいって、なんだよ

「もう、止めておきなさいよ。
怪盗さんをこれ以上
責めてはいけないわ」

「ッでも、お前だって
あんなに頑張って助けたのに…」

「いいのよ。怪盗さんにとっては
助けではなかったの、
ただの私たちのエゴにすぎないわ」

2人の会話を聞きながら
遠のく意識に抵抗しなかった





「怪盗さん、」

「…はぃ」

「ごめんなさい、私っ、」

「いいえ、自分を責めないで
ください。助けていただき
感謝しきれませんよ」

「でもッ、」

「先ほどは失礼を。
少々 気持ちが
高ぶっていたようです」

「私はッ、あなたの気持ち、
よく分かるわ、だって私も…ッ」

「…そうですね。
けれど、助かった以上、
生きるしかないじゃないですか。
あなたに謝られても、
私は辛いだけです。それも、
賢いあなたならわかるでしょう?」

「そぅ…ね。
ごめんなさい、」

「それより、私はどうしてここに?」

「工藤くんが…。」






「おい、起きてんだろ」

「…っ、は、ぃ」

「敬語やめろよ、馬鹿にしてんのか?
それより、あの組織はなんだ。
どうしてお前が狙撃されたんだ!」

「は、っ…、言うわけねーだろ、
自分で謎解きでもしてろよ、
名探偵さんよぉ。」

「お前っ!!」

「助けてくれたことは感謝する、
ただ、もうほっといて欲しい。
ここからは俺の領域だ、だからっ…」

「…キッド?」

「…っ、…はっ…、」

「大丈夫か?…」

「……っ、」



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設定タグ:名探偵コナン , K志保 , 怪盗キッド   
作品ジャンル:アニメ
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橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!もし続編があるのなら、続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2022年2月10日 20時) (レス) @page4 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キツネさん | 作成日時:2017年8月27日 19時

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